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ネイルサロン

サンダルの季節、夏。

サンダルから見える私の足にネイルが塗られていないと、なんだか物足りなさを感じてしまう。

ふと目に入った時に、足先が彩られているとそれだけでかなり心が躍り、口角が上がる。足元のネイルは私の夏の楽しみ。

といっても、私は絶望的に不器用で自分で塗ってうまくいった試しがない。

ここ数年は自分で塗るのは諦めて、お店でジェルネイルをしている。

ちょっと贅沢ではあるけれど、ジェルだと2ヵ月ほどはもつ。

ついでに角質を取ってもらい、スクラブでマッサージ、甘皮処理をして、爪を整えてジェルをのせてもらう。

カラーはボルドーや濃い茶色など、深めの色が多い。

たまーに気が変わってピンクなどで遊んでみたりもするけれど、すぐに後悔する。持っている洋服のテイストに合わないし、普段選ばない色で落ち着かない。

そんなこんなで、コンサバ色が多い。結局そういう色がしっくりくる。

そして私は単色が好きで、デコレーションはしない。


ネイルサロンに関わらず、この人!という出会いがあったら、基本的にずーっと同じ人にお願いしてしまうタイプなので、今のネイリストさんともそこそこ付き合いが長い。

私の好みを分かってくれるので、提案してくれる色なども私好み。

お互い映画をよく見に行くので、最近見た映画の話しをすることが多い。

それなりに長い付き合いになってくると、プライベートなこともそれなりに話したりする。「彼はその後どうなった?」と聞いたり、「お父さんは元気にしてますか」などと聞かれたり、そこから話が広がったりする。

私も敏感なタイプだけど、おそらく彼女も敏感なタイプの人で、それが私には心地良いのかもしれない。


仕事をしている時は手もお願いしていたけれど、仕事をやめてからは手のジェルはやめた。

ネイルが好きでやっていたのではなく、爪が弱かったのでそれ隠したくてやっていた。元々爪が長いのが苦手で、少しでも爪が伸びると切っていた。ネイルをはじめた時は爪が長くなっていくのが少々苦痛でもあったけれど、それもいつの間にか慣れてそれが日常になっていった。

今はネイルをやめたので、手の爪は常に短い。やっぱりこっちが快適。

私の手はしっかり年相応にしわもゴツさもあるけれど、爪の短い今の手が気に入っている。

爪は以前より丈夫になった。亜鉛が効いているのかもしれない。


ケアをして、ジェルをのせてもらった足は、数歳分若返ったかのようになった。手をかければ変わる、これを家でもすればいいのにと毎回思うけれど、なかなか…

キレイにしてもらって、心うきうきしながらネイルサロンを後にする。

次は秋だからオフのみ。その後はしばらく空くかもしれない。

そう頻繁には行かなくなってしまったけれど、頼れる場所があるのは嬉しい。

ふと目に入る足元に、今もまた口角と共に気持ちが躍る。




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