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採用面接マスター #20 参考図書①「人生は攻略できる、君たちはこれからどう生きるか?」橘玲

本書はどちらかとこれから社会に出る学生や、社会に出たての若手に向けた本だが、中身は50オーバーの私が読んでも本質的な良書につき推薦したい。

本書の根底にある骨子は

幸福な人生に必要なものは次の3つだけ
①お金(金融資本)
②仕事(人的資本)
③愛情・友情(社会資本)

①は時間をかけて増やすとして、
まずは②を労働市場に投下し、自分自身の専門性を高めることでその価値を上げて行く。
③は別の話だが、①②とも密接している。
これら3つを全て手に入れることはむずかしくても、少なくとも2つを手に入れることが肝要だ。

専門性に関していうと、
「1万時間の法則」という法則があり、どんなことであれ「一流」になるには1万時間(1日10時間として1000日≒3年間)の訓練や実践が必要だという。なぜこんなに努力できるかというと、それが「好き」だからだろう。イヤなことを1万時間をやらされたら、それは拷問というか虐待だ。

専門性について最初から「好き」がわかっていて、夢に向かって一直線に進んでいける幸運なひとを除けば、「好きを仕事にする」方法はたぶんひとつしかない。それはトライ&エラーだ。そのときに大事なのは、会社ではなく仕事を選ぶことだ。  

逆にいうと、心から喜んでやれないことにしがみつくなと言うこと。

人生をロールプレイングゲームだとすると、
いつまでもレベルが上がらないゲームは言うまでもなく、だんだんレベルが下がるゲームなど誰もやりたがらない。なんの変化もない人生や、マイナス方向に変化する人生は
それよりもいろんな障害を乗り越えながら、よい方に「変化」していくことのほうが、幸福度が高い。

選択に失敗したと思ったら、心から好きになれない仕事だと感じたら、立ち止まらずに次に行こうということだ。

著者は他の書籍でも一貫して、
「経済的な独立無しに真の自由はない」
と繰り返している。

不条理な職場環境や上司、からなぜ逃げないのかと言われれば、終身雇用で他の企業に移れる力を身に付けて来なかったために、他に生きる術がないからだ。

これは重要なポイントでこれからは会社のために働くだけでなく、何が出来るのかの専門性を極めて、他社ででも通用するスキルをモノにすることが重要だ。
仕事を問われ、会社名を答えるのではなく、法務、マーケティング、プログラマー、と言った職種で答えられるようになることがその鍵になる。

そしてこの経済的に独立しているということは、イヤなことにイヤだと言えることだ。

では具体的にどう経済的な独立をかちとるべきなのか?

単純に金持ちになることを狙ってギャンブル的な投資や宝くじを狙う代わりに、最も効率の良い目標設定や共働きという地に足のついたアプローチの確実性を解く。

今、変化への対応に遅れを取っている日本はGDP4位にも関わらず、競争は緩く、非合理的なルールを信じて行動する人間が多い中で、冷静にゲームのルールを理解することは、大金持ちにはなれないものの、確実に経済的独立を勝ち取るヒントが沢山あることを教えてくれる。

本書の著者はかつて、ビジネスマン向けに出版した「黄金の羽の拾い方」というベストセラー作家で、最近では「言ってはいけない」等で有名な著者です。単なるハウトゥー本の著者とは一線を画します。

会社選びや仕事の仕方、お金の作り方の参考になる良書です。

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