【搾取されない人生を送る】”FP3級”というお金の教科書
みなさんは、『ドラゴン桜』というドラマをご存知でしょうか?
この物語は、偏差値が低く経営が苦しい高校(龍山高校)高校に、元暴走族で弁護士の桜木健二(阿部 寛)が赴任し、東大合格者を輩出することで学校の再建を目指すという学園ドラマです。
このドラマの第3話の中で、受験生をバカにする生徒達に対して、桜木先生は「勉強すること」の核心を突いた言葉を投げかけます。
言われてみると、「確かに…」と思う節はないでしょうか。
国は、納税の義務として、しっかりと「税金」は取っていくくせに、税金が返ってくる制度や徳をする制度については、あえて複雑で分かりづらくしています。
国だけじゃありません。保険会社や金融会社だってそうです。
保険や金融のことを何も知らない一般人に、不安を煽るようにして保険を契約させたり、自動車や住宅などを高い金利でローンを組ませようとしてきます。
中には、ぼったくりの金融商品を売りつけたり、最初から詐欺のつもりで投資をすすめてくる人だっています。
桜木先生は、お金のことだけでなく、もっと広い意味で「社会の構造」を理解することが大切だと言っているのだと思いますが、お金の知識、つまり「金融リテラシー」が低ければ、『搾取されつづけ、不満をいうだけの人生を送ることになる』というのは、もっともな話ではないでしょうか。
金融教育が進まない日本で生き残るには
「日本人は金融リテラシーが低い」というのは、よく言われる話です。
下のグラフは、日銀が発表した2022年の「資金循環の日米欧比較」から、金融資産の構成比率をを表したものです。
日本は、預金の割合が米国や欧州と比べても高く、株式や投資信託など、投資には消極的であることがわかります。
これには、銀行に預金するだけで資産が増えていった「バブル経済」を経験したことや、リスクを避けようとする国民性が関係していると言われています。
そのため、積極的に投資や金融について学ぼうとする人は少数派であり、学校でも企業でも金融教育がほとんど進んでいません。
金融広報中央委員会が実施した「金融リテラシー調査2022年」の結果によると、金融教育を学校等で受けた人の割合は、米国が20%であるのに対し、日本はわずか7%と1割にも達していません。
客観的に見ても、日本人は「金融リテラシーは低い」と言わざるを得ません。
ただし、僕は、このデータをもとに「日本人は金融リテラシーが低い」=「不幸である」と言いたいわけではありません。
日本人でも、貯金と年金だけで、幸せな老後を送っている方もたくさんいますし、「お金」だけが幸せの尺度でないことも十分理解しています。
ですが、『ドラゴン桜』の桜木先生が言うように、金融リテラシーが低く、お金の仕組みや構造を理解していないがために、無駄に税金を払ったり、必要のない保険や投資を買わされてしまうのもまた事実です。
実際に、税金についての知識がある人は、合法的に課税所得を減らして手取りを増やしていますし、金融についての知識がある人は、効率的に資産運用することで、資産を倍増させたり、配当を得たりしています。
つまり、お金について学び、金融リテラシーを高るということは、自分のお金を「守る力」を身につけ、資産形成や将来設計を優位に進めることに繋がるのです。
では、金融教育が進んでいない日本で、どのようにして「金融リテラシー」を身に付けたら良いのでしょうか。
その方法の一つとなるのが、「FP3級」の資格を取ることになります。
「FP3級」という、最適な勉強教材
「FP3級」の資格は、「お金の教養」として、最適な教材と言えます。
なぜそう言えるのかというと、「FP」、つまり「ファイナンシャルプランナー」の資格試験では、年金、保険、投資、税金、不動産、相続など、人生で関わるお金の知識を、広く体系的に学ぶことができるからです。
それでいて、最初の受験区分である、FP3級の難易度はそれほど高くないので、勉強していても楽しいです。
では、具体的に「FPを学ぶ」と、どういうメリットがあるのでしょうか。
僕の体験も交えていくつかご紹介しましょう。
【将来設計ができるようになる】
自分がもらえる年金額をシミュレーションすることができて、年金だけでは不足する老後資金を、投資により効率よく資産形成できるようになる。
【無駄な保険に入らないでよくなる】
病気や怪我で働けなくなった時や、失業してしまった時に、どれくらいの公的保証があるかを知ることで、無駄な保険に入らなくてよくなる。
【所得税を低く抑えることができる】
年末調整で、医療費やiDecoなど控除できる支出を知ることで、控除額が大きくなり、還付される所得税額が増える。
副業(事業所得)をしている人は、青色申告制度を利用することで、最大65万円までは所得が控除される。
【生前のうちに相続税対策を済ませておくことができる】
相続税の計算方法や、非課税になる財産の種類を知っておくことで、生前のうちに相続税対策をしておくことができる。
これらは、FPの勉強をしていく中で身に付く知識のほんの一部です。
僕と同じ40歳前後の方の場合、年金がどれくらいもらえるのかや、親が亡くなった後の相続のことが気になると思います。
FPはいつから勉強を始めても遅すぎる資格というものではありませんし、税制など時代とともに制度も少しずつ変わっていく内容もあります。
「お金のことで苦労したくないと」思うのであれば、今からでも遅くはないので、ぜひFPの資格試験にチャレンジしてみてください。
合格するだけでは意味がない!?FP3級の勉強法
結論から言うと、FP3級の資格試験に合格するだけであれば、とても簡単です。
合格率は80%〜90%と高めですし、ひたすら過去問だけやっておけば、20時間程度の勉強時間で合格することができるでしょう。
でも、そんな勉強の仕方をするくらいなら受験する必要はないと、僕は感じています。
なぜかというと、そもそもFPの資格自体に、それほど価値はないからです。
FPの資格は、独占業務資格、いわゆる「士業」ではないため、この資格がなければできる業務というのがないのです。
FPの資格があっても、保険業法でいう「保険の募集」、税理士法による「税務の相談や書類作成」、金融商品取引法による「投資判断の助言・投資の一任契約」はできないことになっています。
つまり、お金にまつわる広い分野を勉強するけれども、専門職レベルではないため、FPの資格を持っていないとできない仕事というのはないのです。
保険会社、金融機関、不動産会社などの新人職員さんが、職場から「とりえあえずFP3級の資格を取ってこい」と言われて勉強するのであれば、「合格するための勉強法」もありでしょう。
しかし、それでは中身が身に付かず、全く意味のない資格になってしまいます。
どの資格試験にも共通して言えることですが、資格を取ったらお終いではなく、「資格を取るまでに勉強したことを、仕事や生活で活かせるかどうか」が一番重要なのです。
「士業」ではないFPは、なおさらその傾向が強い資格試験になります。
では、お金の知識を身に付けたいと考えている、僕たち一般の人はどう勉強すればいいのでしょうか。
それは、「テキストを熟読すること」です。
FP3級の学習方法と勉強時間
FP3級の試験勉強は、基本的には独学で十分です。
もし分からないところがあれば、YouTubeで検索すれば、解説してくれている動画もたくさん出ているので安心です。
FPのテキストは、試験問題に合わせて、「ライフプランニングと資金計画」「リスク管理」「金融資産運用」「タックスプランニング」「不動産」「相続・事業継承」の6つの分野で構成されています。
1ページ目から勉強していってもいいですが、それぞれの分野は独立しているので、自分が興味のある分野からスタートさせると、勉強がはかどりやすいと思います。
個人的には、年金について学べる「ライフプランニングと資金計画」、所得税について学べる「タックスプランニング」あたりから、手をつけてみるのをおすすめします。
次に勉強時間についてお話しします。
テキストを全部を最初から最後まで読んでいくと、50時間くらいは時間が必要になると思います。
そのため、FP3級の内容をしっかりとインプットして試験にも合格しようと思ったら、100時間程度の勉強時間を確保しておいた方がいいでしょう。
僕は、毎日通勤の時間にテキストを読むという勉強方法を、約3ヶ月継続して合格しました。
FP2級の場合も、基本的には同じやり方ですが、出題範囲が広くてテキストだけでは追えない問題もあったので、過去問をまとめたサイト(FP2級過去問道場)を利用して勉強しました。
3級の試験問題もあるので、過去問の本を買うくらいなら、このサイトを使うと便利です。
テキストは、正直どれを使っても大差がないと思いますが、よく売れているのは、「みんなが欲しかった!FPの教科書」になります。
テキストの内容は、税制の改正に合わせて見直しがあるため、最新版のものを購入するようにしましょう。
FP3級以外の勉強教材
ここまで記事を読んできても、「どうしても、勉強するのは嫌だ」「ずっと机に向かっていることに耐えられない」という方もいらっしゃるでしょう。
そんな方には、別の教材をご紹介します。
こちらは、お金に関する情報を発信しているユーチューバー、リベラルアーツ大学の両学長が書いた本で、本屋さんにいったら必ず平積みされているくらい人気の高い本です。
この本では、お金にまつわる5つの力である、「貯める力」「稼ぐ力」「増やす力」「守る力」「使う力」を育てるためのポイントを、中学生でもわかるように解説してくれています。
人によっては、こちらの本を読んでからFPの勉強を始めた方が、内容が入ってくるかもしれません。
11月20日に改訂版が発売され、内容も新しくなっていますので、ぜひチェックしてみてください。
まとめ
金融教育が進んでいない日本では、金融リテラシーの差が、そのまま金融所得の格差に繋がっていきます。
そして、ネットでのビジネスや詐欺が増えてくるこれからの時代には「金融リテラシー」はますます重要になってきます。
金融リテラシーを身につけるためには、FP3級の勉強が効率的です。
試験に合格することにこだわらず、中身を理解して、仕事や生活に活かすことが大切です。
今日が一番若い日です。
勉強を始めるのに遅すぎることはないはずです。
一緒にお金について強くなり、搾取されることなく、幸せで充実した人生を送っていきましょう!
今回も最後までご覧いただき、ありがとうございました。
次回からは、第3章「豊かな人間関係をつくる」編に入ります。
第3章最初の記事では「”孤独”は老後の3大不安の一つ」という内容の記事を予定しています。
僕のシリーズ記事『LIFE SHIFT 40歳からの人生戦略』では、人生後半を戦略的にデザインしていくために必要な「考え方やアクションプラン」について、30本ほどの記事で構成しています。
週1本くらいのペースで記事を追加していくので、「記事が面白い」「次も読んでみたい」と思っていただいた方は、ぜひフォローをお願いします。
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