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コミュニケーションの大原則「said (言った)≠heard (聞いた) ≠ listened (聴いた) ≠ understood (理解した) ≠agreed (合意した) ≠ convinced (納得した)」
間違った使われ方をしている”異文化”というビッグワード
先日『異文化対応力』についてこちらのBlogでも書きましたが、その中でも言及した通り、時として”異文化”という言葉が海外で誤った使われ方をされていると思うのです。
異文化という言葉を聞くのが、特にローカルメンバーとコミュニケーションがうまくいかなかったケースです。何度か相談された事もありましたが、総じて以下のように相談される事が多かったです。
「よしさん、ローカルのメンバーに何度も言っているのですが、なかなか動いてくれないのですよ。英語の問題でしょか?それとも異文化だからでしょうか?」
もちろん少なからず語学の問題もあり、これも確かに異文化の一部から生じるものなのですが、この状況下で「異文化」というビッグワードを使用すると、解決策が見つからず迷子になってしまいます。
このような相談をしてくる人に限って、「言った=人が動いてくれる」ものと思っているケースが多いと感じます。最近では「メール送った=人が動いてくれる」と思っている方も多いように感じます。
暗黙知があり、仮に自分の直属の上司ではなく、他の部署の先輩から何か言われた際、上下関係を重視する日本ではこれが通じるケースがありますが、通常であれば、人は「納得」しなければ動かないと思います。
人が動くまでの、コミュニケーションの大原則
コミュニケーションを少し分解してみると、「said (言った)≠heard (聞いた) ≠ listened (聴いた) ≠ understood (理解した) ≠agreed (合意した) ≠ convinced (納得した)」になると思います(グロービス経営大学院 「組織行動とリーダーシップ」より引用)。
つまり、「言った」から「納得」するまでには複数のプロセスが存在し、単純にそのプロセスが完了してないだけのケースが本当に多いと感じます。そして、そのプロセスが言語の問題や、暗黙知が存在せず、更に基本的に直属の上司の指示のみに従う海外では、このプロセスを完了させるのに時間がかかってしまうだけなのです。
よって、相手が動いてくれない時には、相手が今どのプロセスで停滞しているかを確認して、根気良くコミュニケーションを取り続けるのが単純ですが、一番効果があると思うのです。
惜しいことに途中でコミュニケーションをやめてしまう人がいますが、ここはコミュニケーションの「質」ではなく「量」に拘る事で、解決の糸口が見つかるケースがあると思います。
解決の糸口を見誤る「異文化」という言葉は使わないほうが良い
「異文化」という言葉はビッグワード過ぎて、解決の糸口を見誤るケースがあるので、「異文化」という言葉が自分の中で腹落ちしていない人に関しては、海外であっても極力使わないようにしたほうが良いかもしれません。
ちなみにこの「異文化」を手っ取り早く体系的に学びたい人は、エリン・メイヤー著書「異文化理解力」が私の中では凄く分かりやすかったです。今でも事あるごとに、読み返します。
私もコミュニケーションがうまくいかない時に、海外では短絡的に「異文化」という言葉が頭に浮かびがちですが、自分の戒めとして上記言語化してみました。「異文化」というワードを封印し、真の要因をしっかり突き止めましょう。