共感資本社会を生きるー共感が「お金」になる時代の新しい生き方
本の紹介者:あい
こんな人に読んで欲しい
・今までの資本主義社会に疑問を持っている人
・多様性を大切にしたいと思っている人
・哲学的な問いを考えてみたい人
1. 「参加者が思いを語ることができる」オンライン読書会
先日、この本を用いてオンライン読書会をしました。せっかくなので、今回はいつもとは違って読書会の話を織り交ぜながら書いていきます。読書会は、この本の共同著者である高橋博之さんにもご参加いただきました。
主催:かじさん(ふくおか食べる通信編集長)、あやさん(読書会ファシリテーター)、ささおさん、ながのさん、あい※有志で組成した幹事団
参加著者:高橋博之さん(株式会社ポケットマルシェ代表取締役CEO/一般社団法人 日本食べる通信リーグ 代表理事)
読書会参加者:約50名
今回は読書会とはいえ「参加者が思いを語る」ことに重点を置きました。いわゆる本を読んで感想を言う、という形式とは一線を画す形です。
なぜ参加者が「思いを語ること」にこだわったか。それは、この本をきっかけにしてそれぞれが人生における本質的な問いを考える、というところに重点を置きたかったからです。
本から正解を得ようとするのではなく、著者から正解を得ようとするのでもなく、本を1つのきっかけとして、哲学的な問いをそれぞれが考え、それぞれが納得できる答えを見つけようとする。そういったことにつながる投げかけをしたい。そんな幹事団の思いがありました。
2.本を読んでいない人も議論できるように、要約。そして・・
とはいえ、本を読んでいない人もポイントをつかむことができるように要約し、7分程度で要点を説明しました。その時のスライドはこちらです。
人の幸せの源泉は「人との良好な関係性」。このことは長年にわたる研究結果からも言われていることです。
食べ物を買う、お金を得る。それらは生きる上で必要なことです。食べ物やお金をやりとりするときに「顔が見える関係性」「つながり」を作ることができれば、無機質なやりとりではなく、心(共感)が伴う直接的なやりとりをすることができる。食べられることのありがたさを感じることができる。このような体験を通じて、人は生きる喜びを実感し、幸せを感じることができるのかもしれませんね。
そして読書会では、3~4人の小グループに分かれて、いくつかの論点に関してディスカッションをしました。
問いは「自分にとって豊かさを言語化すると、どのような表現になりますか?」「人、モノ、自然。これらの多様性を認める世の中にするために、自分はどうしたい(またはどうありたい)ですか?」といったものでした。
3.哲学的な問いを考えることの大切さ
読書会で投げかけた問いに対して「抽象的過ぎて、どう考えたら良いかわからなかった」という声もありました。一方で「普段考えないような問いを考える良い機会だった」「とはいえ、議論する時間が足りなかった」という声もありました。こういった声があがるのは、想定内でした。
このような哲学的・抽象的な問いを日常的に考える人は、少ないはずです。仮に考えたとして、読書会の時間内で答えが出るような簡単なものでもありません。
読書会の主催者は「哲学的な問いについて考えるきっかけづくり」しかできない。それを分かった上で、哲学的な問いを考える時間の大切さを少しでも感じてほしい、と考えていました。「何かモヤモヤするぞ」と思うことがあれば、それだけで良かった、と思っています。
哲学的なことを考えても、短期的には何も変わりません。しかし、長い人生においては「自分がどう生きるのか、どう生きたいのか」を考える時間が、自分の軸・土台を形作ります。
意識的に、哲学的な問いを考える時間を確保してみてはいかがでしょうか。