海外でも通用する。恥ずかしいくらい言葉に「体重」を乗っける
グロービス経営大学院 あすか会議での登壇
先日、静岡の浜松でグロービス経営大学院の在校生、卒業生そして講師の方々が一同に集まる「あすか会議」が開催されました。年に一度のビッグイベントですので、私も参加し、その中のリーダーズディスカッションというイベントで登壇をさせて頂く機会を得ました。ベトナム(ハノイ)での駐在経験を元に、
「グローバルリーダーへの旅~ ベトナムハノイでの1000日奮闘記~」
というテーマで登壇をさせて頂きました。
MBAを取得しようと思ったきっかけについて
海外で働くようになり気づいたのですが、要職についている人程MBA(Master of Business Administration)を取得している事が多く、そんな人達は数値や理論、フレームワークを活用しながら戦略を考案・実行する傾向があるように当時の私には見えました。
バックグラウンドがエンジニアであった私は、当時全く経営とは無縁だったのですが、海外で働くようになり仕事範囲も多岐に渡り、マーケティングや経営戦略、そしてファイナンスチームとも話をする機会も多くなり、「エンジニアなのでそのような分野は分かりません」とは言えない状況に陥りました。
そんな状況を打破すべく、グロービス経営大学院の門を叩いたというのが経緯となり、そして海外で働きながら3年かけて無事卒業し、MBAを取得する事が出来たのです。
人が動くには「理」と「情」の両方が大事
大学院では理論やフレームワークをベースに、数値的根拠も用いながら戦略を考案・実行する術を、ケーススタディを用いてひたすら訓練して行きます。いわゆる「理」の部分を徹底的に学ぶのです。
一方で、私がベトナム駐在時に学んだのは、「人は理だけでは動かない」という点でした。戦略もそうですが、言っている事が正しければ正しいほど、人は動かないケースも事実として存在するのです。
今回登壇させて頂き、もちろん「理」の部分も多く説明する引き出しは自分の中では持っていたのですが、それらを散々授業で学んでいるグロービス生には不要だろうと思い、敢えて「情」の部分をリアルな実体験を基に話をさせて頂きました。
恥ずかしいくらい言葉に「体重」を乗っける
その中の一つで、『恥ずかしいくらい言葉に「体重」を乗っける』ことの重要性を訴えました。
我々は正しい「理」の伝え方は知ってても、意外と「情」の伝え方を知らない人が多いと思います。
抽象的ですので、もう少し分かり易い事例を挙げると、郵政民営化を訴えた小泉純一郎元総理大臣や、その息子の進次郎さんの言葉は明らかに「重さ」があり、ズシリと伝わって来るものがあります。
元阪神の、星野仙一監督も言葉に「重さ」があったと思います。共通しているのは、
「シンプル」
「分かり易い」
「情熱」
が言葉に込められている点と思いますし、それを「繰り返し伝える」ところだと思います。星野監督はシンプルに「勝ちたいんや!」と連呼し、2003年に阪神を優勝に導きましたが、まさにあのような感じです。
「理」と「情」のバランスを意識することもリーダーの役割
日本人は比較的恥ずかしがり屋ですので、言葉に「体重」を乗っけるのに躊躇しがちですが、言葉に「体重」を乗っければ、海外でもこの「情」は間違いなく伝わると思います。そして、その「情」によって、人が動く事もあり得るのです。
もちろん「理」と「情」のバランスを十分に意識することがリーダーの役割だと思いますし、「理」あっての「情」であると思いますので、両方の能力を向上させて行く事はリーダーにとって永遠の課題だと思います。
さて、私のテーマに参加して頂いた皆さんに、どこまで私が言いたかった事が伝わったか分かりませんが、当日は精一杯自分の言葉に「体重」を乗っけて話をさせて頂きました。参加者の皆さんにとっても、有用な時間であったならば、私としても嬉しい限りです。参加して頂き、本当にありがとうございました。
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