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地元にUターンして3年、なぜ住所非公開のスナックをやることにしたのか。

こんばんは。深尾です。
地元である滋賀県近江八幡市に東京からUターンをして約3年。
いわゆる「まちづくり(という解釈が分かれすぎる単語)」に関わるお仕事を色々しながら、個人でスナックを営んでおります。

スナックというと、ママがいて、カラオケがあり、年配男性の憩いの場というイメージがあるかもしれませんが、当店は(残念ながら)
女性はおらず、男の私ひとり。カラオケもなく、禁煙での営業です。

あと特徴的な点として、住所を公開せずに会員&紹介制でやっています

なのでお客さんは私の仲の良い方か、そのご紹介のみという形でやっています。

さて、この記事のタイトル「地元にUターンして3年、なぜ住所非公開のスナックをやることにしたのか。」について書いていきたいと思います。

■住所を非公開にしている理由

先ほども申しましたように、地元に帰ってからやってきたお仕事は主に「まちづくり」に関わるものが主でした。

「まちづくり」というものを、ものすごくざっくり分けると、主に建物や土地の開発といった取り組みが目に見える「ハード系」と、文化保存や市民協働といった取り組みが目に見えない場合が多い「ソフト系」があります。
(本当にざっくり分けています。こちらの記事にあるように、優劣なく両方が必要です)

ちなみに私がやっているお仕事は、だいたい「ソフト系」がメインです。

行政の計画策定に関わるお堅いものから、起業イベントやその後の伴走支援、交流会やワークショップの企画運営、社会事業のコーディネートなど、わりと幅広くやってます。

そんな仕事柄というか、自分の趣味も多分に入っているんですが、面白そうだったり、お誘いいただいたりしたイベントの場には、予定の許す限り参加してきました。

それぞれに意味があるものでしたし、そこで出会えた人たちと一緒に仕事をすることもあったので、私は人が集まる場や機会というのは基本的に尊いなと思っています

お互いがオープンに対話するなかで、ふとした糸口から新しいアクションが生まれる場にいると、偶然というか必然というか奇跡のようなものを感じますし、そんな場に出会えると、主催者や参加者、空間や時間への感謝が溢れ、自分も頑張ろうと思います。

ただ、その一方で、いくつか残念な場も見てきました。
・はじめから出口が決まっていて、ただアリバイ作りのように、参加者に意見を言わせるだけの場。
・声の大きい人によって、アイデア出しの集まりがいつの間にか個人の演説会になっている場。
・その場では特に発言をせずにいて、他人のアイデアを平気で盗んでいく人が混ざっている場。
・結局やらない人たちによるエセ決起集会のような謎のイベント。
などなど。

そういった場に参加して、なんだかモヤついて帰ることも度々ありました。

この違和感はいったい何からくるのか。

最近これがひとつの答えなのかもと思っているのは、
残念な場というのは「人の創造性を奪う場」なのでは、ということです。

自分の意見が結局求められていなかったり、誰かの演説に巻き込まれたり、タダ乗りされていると感じると、そこに自分たちが創造することの余地や意味が見いだせず、話す気力さえなくなります。

場のオープンさというのは基本的に必要だと思うんですが、先述の残念要素が入り込む余地のない、思い切りクローズな場が、自分の暮らすまちにひとつくらいあっても良いんじゃないかと思いました。

私個人の好みを付け加えるなら、落ち着ける空間で、ちゃんとした珈琲とお酒があって、仕事も読書も話もできる。隠れ家というか、秘密基地的なところ。

わがままを全部盛りでかなえてくれる場所が身近にないか、と探してみたら、なかったので作ることにしました。

■バーでなく、スナックにした理由


店の業態を考えるとき、お酒を出す場ということで、はじめはバーにしようかとも思いましたが、ちょっと格式ばったイメージが強いのでやめました。

それよりも、「お客さん同士がもっと気軽に話し合える場」として、ふと浮かんだのが「スナック」でした。

■スナックの定義的なもの
客が酒や軽食を口にしながら、「ママ」や店員、あるいは客同士で会話を楽しんだり、カラオケを歌ったりするのが主たるサービス。提供するアルコール類、料理類はあくまでその補助にすぎず、ブランデーなど高価な商品がある一方で、安価な甲類焼酎などが提供されることも多いのが(狭義の)バーとの違いである。(以上、Wikipediaより抜粋)

Wikiにもあるように、会話を楽しむことがメインで、提供するフードやドリンクは補助役。非常にシンプルな業態です。

ただ、年配の女性が営業されるもの、という印象もあったので、新しい形で営業されているスナックをいくつか調べてみて、実際に足を運んでみました。(このへんは別の記事で紹介したいと思います)

それぞれのお店に特徴はあるものの、共通していたのは店主が場にコミットしていて、お客さんが自然体でいられる気配りがなされていること。

自分が作りたい場のイメージとも近かったので、スナックとして店の準備をしていこうと決めました。

つづく。


※ここまで読んでくださった方、有難うございます。
店は結局DIYで作ることになるんですが、それを書き始めるとものすごく長くなるので、別の機会にさせていただきます。
ちなみにお店のFBページはこちらです。

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Yoshihiro Fukao
いただいたサポートは「スナックの運営」と「後輩への恩送り」にそれぞれ充てさせていただきます。