夏になると聴きたくなるアルバム 「14番目の月」
夏になると聴きたくなるアルバムがある。
もちろん一つではない。
定番と言うか、そのアルバムを聴かないと夏が始まらないと言うか、夏を満喫出来ないと言うか、夏が終わらないと言うアルバムである。
「14番目の月 / 松任谷由実」
厳密に言うと「夏になると聴きたくなる」と言うよりは「夏の終わりに聴きたくなる」と言った方が正しいんだと思う。秋の気配が増してくる9月の中盤を過ぎた頃、タイトルにも関係するが「お月見」の頃になるとこのアルバムが聴きたくなる。 行く夏を惜しむと言うと大袈裟かもしれないが、「あぁ〜、夏も終わるなぁ〜」と言う頃には外せないアルバムではある。
確かに「避暑地の出来事」とか「晩夏」とか、夏の思い出に浸ったり、夏の終わりを感じさせるけれど、一方で、夏のサーフィンをイメージする「天気雨」や、ドライブ感満載の「中央フリーウエイ」には夏のイメージがあって、そのバランスが絶妙なのかもしれない。
それにしても「中央フリーウエイ」はいつ聴いても名曲。
PEARL PIERCE のところにも書いたけれど、この頃のいわゆる「ニューミュージック」の完成型だと思っている。
中央高速界隈に住んでいるので、この曲を聴くと、車に乗って山梨方向にドライブに行きたくなる。
特に夏の終わり、秋の始めの夕暮れにこの曲を聴きながら、コンバーチブルの屋根をおろしてドライブするとたまらなく気持ちがよい。
全くの余談ではあるが、地元の行きつけのイタリアンバーでは、例年9月のお月見の頃の金曜日の夜に、なんとなく常連客が集まって、行く夏を惜しみながら「線香花火」に興じるというイベントがある。 お店には、一応公式な「閉店時間」というのがあるのだろうけど、週末金曜の夜は、常連客はどちらかというとその「閉店時間」後にお店に集まり始める。
一般のお客さんが帰られた後、常連客がある程度集まるとなんとなく「線香花火」が始まる。 一通り線香花火に興じて気が済んだら、お店に戻って飲み直すのだが、他の常連客が遅れてお店にやってくるたびに「せっかくだから・・・」と言う話になり、線香花火第2ラウンドが始まり、その後お店に戻って飲み直し、また、他の常連客が加わると線香花火になり、また飲み直し・・・ を何回か繰り返しているうちに、さすがにそろそろ「お開き」にするかと言うタイミングで、お店のマスターがこのアルバムをCDプレーヤーにセットし1曲目から順に聞き始めて、最後の「晩夏」が終わったところで、お店に残った全員で夏の終わりを噛みしめて帰宅の途に着くのである。
ここ3〜4年はずっとこの「線香花火」に参加して、この時期に聴いていたので、このアルバムを聴かないと夏が終わる感じがしない。
あぁ〜、夏が終わっちゃうようー。