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フランス移住顛末記 06

マイナンバーカードと新型コロナワクチン接種証明

そんな訳で、現在「絶賛海外赴任準備中」です。
海外赴任といっても、会社の仕事敵には「人事異動+転勤」ということなので、今やっている仕事の残務整理と、これまでの仕事の引継ぎ、それと 身辺整理 の3つが日々の作業ということになるが、海外赴任となるとこれに加えて、海外渡航の準備、国内の私的なモロモロの整理 が加わる。 で、さらに今回の場合、コロナ禍下での海外赴任なのでコロナ禍下特有の作業が追加されることになる。

ただでさえやることが多いと言うのに、それに加えてコロナ問題で必要とされる書類やら、対応やらがあるのは正直勘弁してほしい。しかも日本の官公庁が中途半端に「デジタル化」しているモンだから尚更ややこしい話になってしまう。

前述のようにコロナ禍特有の準備として「ワクチン接種証明」の取得が必須である。
今の日本の場合このワクチン接種証明には2種類ある。ひとつは各地方自治体が発行する「書面での接種証明」、もうひとつは国が進めているデジタル化の一環として開発されたスマートフォン型携帯電話に読み込んで使える「ディジタル型の接種証明」。
国内の催物に参加するためにワクチン接種証明が必要だというような場合は、恐らくどちらかの接種証明を用意すれば事足りるのだろうけれど、いざ外国への入国となるとどちらを用意すべきなのかが判断がつかず、勢い両方準備するという羽目になる(仮に片方の接種証明だけで現地に乗り込んで、例えば「書面での接種証明」は有効ではないということになった場合に取り返しかがつかなくなってしまう)。

幸いなことに、ボク自身のワクチン接種は比較的早いペースでできており、3回目の、いわゆる「ブースターショット」も終わっている。なので、あとは接種証明を取得するのみである。

書面での接種証明

こちらの方の接種証明の取得はそんなに難しくなく、地方自治体(ボクの場合は武蔵野市)が用意している申請用紙に必要事項を記入し、3回のワクチン摂取券の接種日・接種ワクチンの種類、ワクチンのロット番号などが記載された書面のコピーとパスポートのコピー、それに返信用の封筒を同封して市役所に送付すれば1週間もしないうちに接種証明が送られてくる。 ボクの場合、去年(2021年)の秋頃にはフランスに赴任することが内々に決まっていたので2回目の接種が終わった段階で2回分の接種証明を取得していたし、2月の末に3回目の接種を終えた段階で3回分の接種証明を取得していたので、この「書面の接種証明」に関しては手間はかかったもののスムーズにことが運び大きな苦労もなく取得することができた。

デジタル型の接種証明

デジタル型の接種証明に関して厚労省の WEB Page などで調べてみると、取得はとても簡単で、デジタル庁が作成・配布している「新型コロナワクチン接種証明書アプリ」をスマホにダウンロードして、マイナンバーカードのデジタル情報をスマホに読み込ませるだけで取得できるとのこと。 そう言われれば確かに簡単そうに聞こえるのだけれど、マイナンバーカードを持っていないボクにとってはまずはマイナンバーカードの取得から話が始まった(この「マイナンバーカード」については言いたいことが沢山あるのだがそれはまた別の機会に)。

ご存じのとおり、マイナンバーカードの取得についても役所に行く必要はなく、スマホ・もしくは PC でデジタル庁の WEB Site にアクセスすればそこで全てことが足りる・・・はずである。
早々に iPhone を使って登録を始めた。 必要事項の入力、個人番号通知表の写真を送ったりしていたら、最後の方に「スマホのカメラで自撮りした写真を登録する」ように求められた。ところが、今使っている iPhone は初代の SE で5年前に買ったもの。もう2年くらい前から自撮り用のカメラのレンズが壊れていて FaceTime などでビデオ通話する際も自分の姿は白くぼやけてまるで煙の中にいるような感じで映るような状態だった。 無論そんな自撮り写真では受け入れられるはずもない。だからと言って手持ちの iPhone に証明写真として使えるような自撮り写真は入っていない。 何度か、自撮りカメラじゃ無い方のカメラで撮影を試みたが、そっちのカメラで写真を撮ろうとすると液晶画面が反対側になるので今度はシャッターが押せないと言う状態に・・・。 諸々の情報を iPhone のちっちゃな画面に入力するのに相当苦労したのだが、結局 iPhone での申請は諦めざる負えないこととなった。
気を取り直して PC (Mac) での申請に切り替えた。
作業を始める前にはたと気づいたのが、証明写真として使える自分自身の画像ファイルがないことである。 VISA の申請やら、国際免許の申請やらで実際の写真として証明写真は沢山もっているのだけれど、マイナンバーの申請には画像ファイルとしての証明写真が必要となる。どうしたものかと考えあぐねた結果、写真としての証明写真を手持ちの Scaner で高解像度で取り込んでみたところ、なんとなくソフトフォーカスがかかっているような画像になってしまったものの、なんとか申請には問題なさそうなのでその画像ファイルを使うこととした。
基本的にはスマホ申請と同じ内容を入力するわけだし、画面もでかいし Keyboard もあるし作業はスムーズに行え、前述の画像ファイルも問題なく受け付けられたのでとりえず申請は完了した。
待つこと2週間、武蔵野市からマイナンバーカードが完成したので取りに来るようにとの通知書類が届いた。引き渡し場所は武蔵野市役所となっている。わざわざ市役所まで出向くのは面倒な話だけれどこればっかりは仕方がないのであきらめて市役所に出向き無事にマイナンバーカードを取得できた。

そんな訳でやっとこさ「ディジタルの接種証明」を手持ちの iPhone に作るべくアプリをダウンロードして手続きを進めたところ程なくして「マイナンバーカードをスマホの下に置きマイナンバーカードのデジタル情報を読み込ませてください」との指示が出る。

「うぅん? 読み込ませるってことは『非接触カード対応(つまりスイカ対応)の iPhone』 である必要があるってことなのか?」

ボクが使っているのは前述の通り5年前に購入した「初代 iPhone SE」。無論、非接触カード対応 なんかじゃ無い。 ってことは「ディジタルの接種証明」を手に入れるためには iPhone を買い換える必要があると言うことなのか?

ここ最近流石に 初代 iPhone SE のバッテリーの持ち時間が極端に短くなっていたので、フランス赴任前には買い替えないといかんなぁ〜とは思っていたのだのだが、このタイミングでこんなところで不具合が出るとは思いもよらなかった。
まぁ iPhone を買い換えること自体は予定していたので頭には来ないが、まさかワクチン接種証明のために買い換える羽目になるとは思わなかった。
しょうがないので Apple Store で SIM フリーの iPhone SE(第3世代)を発注し3日後に入手。 設定の引き継ぎやらなんやらにその後1週間ほどを要し、やっとの思いでワクチン接種証明のアプリにマイナンバーカードを読み込ませたところ無事に日本語と英語の接種証明がスマホの中に表示され一件落着とあいなった。
ディジタルのワクチン接種証明の取得を開始してから1ヶ月以上もかかったことになる。

後日、いよいよフランスへの出発日が決まったので、武蔵野市役所に海外転出の申請に行ったら「海外に転出する場合、お手持ちの『マイナンバーカード」は返却と言うか、デジタル情報を消去することになりますのでご提出をお願いします・・・」とのこと。話を聞けば、日本に住民票がない場合、基本的に「マイナンバーカード」を利用する必要性が全くないので、紛失等で悪用されることの無いよう、すでに所持している場合には表面に「海外へ転出」と言う印字をしデジタル情報を消す処理をするのだそう。
別にルールにあらがう気はないが、我が「マイナンバーカード」はデジタル ワクチン接種証明を取得するためだけのたった1ヶ月の命であえなく無効化されてしまった。

日本のデジタル庁が推し進める行政のデジタル化ではあるが、今回の一件に関しては「便利になったなぁ・・・」と言う思いは微塵もなく、なんのためのデジタル化なのかきっちりと説明を受けたい気がする今日この頃なのです。

はっきり言って疲れました。

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