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フランス・パリ近郊 道路事情

学生の頃、駐車違反で捕まったことがある。
駐車禁止の標識のないところに友人から借りた車を止めていたら駐車違反のシールが貼られていた。
頭にきたので、そのシールを持って警察に行き「駐禁標識がない場所なのに駐車違反なんておかしいじゃないか!」と文句を言ったところ、「その場所は道幅が狭いので標識がなくても駐車違反なのだ」と反論された上に、「そもそも道路は車を止める場所じゃないんだから文句言うのは筋違い」と言うお小言まで頂いた。 まぁ、ある意味正論だとは思ったけれど、そんな言い方しなくても良いじゃないかとも思った。

で、フランスはどうかと言うと、まったく逆で、「路上駐車はあたりまえ」。

狭い道路であっても、車が1台走れるスペースがあれば路上にはパーキングメーターがあり、いくばくかのお金を払えば路上駐車可能だし、ただで止められる場合もある。 無論、駐禁のマークがある場所は駐車することはできないが・・・。

タイトルにある写真は、今住んでいるアパートの裏手の道路の様子。
道路の両側には、ご丁寧に「駐車可能」を意味する枠線まで書かれていて、道路の左右に駐車することができる(写真の左手前にあるのは「パーキングメーター」平日の昼間はお金を払う必要がある)。 ここにびっしり車が止まると真ん中の空いたスペースは車が一台通るのがやっとの状態である。 それでも、この周辺に住んでいる方のうち多くの方はこの路上駐車を利用しているようで、毎朝通勤途中でよぉ~く見てみると、同じ場所に同じ車が止められているのがわかる。

で、普通の道路はどうかと言うと、駐車禁止の標識がない限り路上駐車しても問題はない。 なので、幹線道路ではない、住宅街の道路の路肩には所せましと路上駐車の車が並んでいる。

また、狭い道路でも一方通行ではなく相互通行の道が多く、走っていると対向車に出くわすことになるが、路肩に駐車されている車が多いと当然通行スペースは一台分になるので、どうするかと言うと、車が止まっていない側の通行が優先されるという、これまた暗黙のルールがある。 なので、車が止まっている側を本来走行すべきなのに、駐車している車をよけて道路の反対側を走行しているときには、対向車が来ると車と車の間のスペースに自分の車を一旦退避させ、その対向車が行き過ぎるまで待って、対向車がいなくなったスキに前進し、対向車が来るとまた待って・・・をくりかえすことになる。

まぁ、そうは言っても、駐車が許されている道路はそんなに通行量が多くないので、ずっと待ち続けることは無いが、自分の通行側に車が止まっているとイライラすることには違いない。

ただ、この場合はちょっと厄介で、駐車していいのは道路の片側だけだけれど、道路のどちら側に駐車するかは2週間ごと(正確には、各月の1日と16日)に変更になる。 月始めからの15日間が左側だったら、残りの15日間は右側に変更になる。 誰がそんなルールを決めたのかは知らないがそういうことになっているらしい。
こういう片側駐車OKの場所は、毎月1日と16日には相当厄介な状況になる。前述のように1日と16日には車を止めるサイドが変更になるのだけれど、前日に止めた車と、1日もしくは16日の朝に止めた車が両サイドに止まっていることになる(以下、写真参照)。


 1日もしくは16日の道路の様子
道路の両側に車が駐車されていて、この間を縫うようにして通行する

さすがに、道路を完全にふさぐように駐車する人はいないが、ある部分には右側に車が止まり、その先には左側に車が止まり・・・と言うような状況になってしまう。 そうなるとその日の午前中は道路の両側に互い違いに車が止まることになり、朝の通勤の際には左へ右へスラロームを繰り返しながら、かつ対向車側が優先だったり、自分側が優先だったりを繰り返しながら運転することになるので、慣れるまでは本当に運転に神経を使うことになる。

おまけにそんな状態なのにも関わらず、現地人ドライバーは相当なスピードを出して対向車として走ってくるので、運転になれた今でも1日と16日は冷や冷やの連続である。

フランスの道路事情は、最初に書いた日本の警察官のコメントの「道路は車を止める場所じゃないんだよ!」とは全く対照的な状態なのである。

いずれにしても、1日と16日は、できれば徒歩通勤にした方が良いんだろうなぁと思う今日この頃なのである。

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