よし先生の元気が出る原則教育論No.4
こんにちは。よし先生です。(^o^)丿
とある地域の,公立小学校の教員をしています。
教師として,今よりもっと充実した日々を送りたいと思っているあなたや,教師の仕事に興味をお持ちのあなたや,お子さんが学校に通っておられるあなたに,「よし先生の元気が出る原則教育論」を届けます。
今回は,誉めて育てる事の難しさと,誉める時のポイントについてお話したいと思います。ご家庭での子育てにも,役に立つと思います。
原則その7「上手に誉めるのには,ここぞというポイントがある。子どもを誉める事は難しいと自覚せよ。」→今まで,「誉めるだけなら簡単だ」と,ただやみくもに誉めていませんでしたか?
教員ならだれでも,「子どもを誉めて伸ばしなさい」と,新規採用のころから,まわりのベテランの先生に言われ続けてきたことでしょう。
ですから,教員ならだれでも,「そんな事は分かっている」と答えるだろうと思います。
そして,教員ならだれでも,誉めたからといって,必ず事態が好転するものでもない,という現実を多く経験してきていることと思います。
「誉めたつもりなのに,うれしそうじゃなかった。」
「誉めたら,逆にしらけてしまった。」
「誉めたいけど,誉めるところが見つからない。」などなど。
そう。子どもを上手に誉めるということは,実は大変難しい事なのです。
子どもを上手に誉めるには,必要な条件が二つあります。
一つは,「誉められる時の子どもの心の状態をつかみ,タイミングよく誉める」ことです。
もう一つは,「教員が,子ども達を誉めるための価値規準や価値基準を持っている」ことです。
この二つの条件を押さえていなかったら,上手に誉める事はできません。
原則その8「上手に誉めるには,子どもが自分なりに上手にできたと感じた瞬間に誉めればよい。」→子どもが自分で自分に丸をつけたときに,教員がその丸をハナ丸にしてあげましょう。
まず,「誉められる時の子どもの心の状態をつかみ,タイミングよく誉める」ことについてお話します。
子どもたちは,それぞれ小さいながらも一個の人格を持っていますから,大人と比べると短いですが,その子どもなりに歩んできた人生で得た,その子なりの価値観を持っています。
その価値観に照らして,「今の自分の行動はいい」「今のは悪い」と,判断したり,感じたりしています。
学級での,学習中の子ども達の様子を観察してみると,子ども達は,自分なりに「今の自分の行動はいい」「行動の結果,なかなかいい結果が出た」という時は,にこりと笑ったり,教員の方を見たり,自分から教員にアピールしてきたりします。
言いかえると,子どもが自己肯定できた瞬間ですね。
その時が,上手に誉める「ここぞ」というポイントです。
「おめでとう。」「よくやったね。」「すばらしい。」などと,簡単に声がけしてあげてください。担任にとって,声がけすべき相手はたくさんいます。一人の子どもだけを長々と説明的にほめることより,たくさんの子どもの伸びを認めてあげる方が良いと思います。
子どもの方を見て,親指をグイッと立てて,にこりと笑うだけで十分な時もあります。笑顔でうなずくだけでいい場合もあります。
子どもはますます自分に満足します。子どもが自分に付けた「丸」が,「ハナ丸」に変わる瞬間です。
うまくいくと,子どものやる気がほとばしってきます。子どもが,生き生きしてきます。「もっとできるんじゃないか」「自分って,結構いけてる?」自分に対する期待感が高まるわけです。言い換えると,自尊感情が高まるわけです。
逆にいうと,こどもが「しまった。」「失敗した。」という瞬間に,子どもに,「だめだなあ。」とか,「いつもおまえはそうなんだ。」などと,タイミング「悪く」声がけすると,子どもはますます自分に自信を無くし,やる気を失います。
場合によっては,「どうせ自分はだめなんだ。」となります。
最悪の場合,「だったら,このままだめな自分でいいや」と,自分の可能性に自分でふたをしてしまいます。自暴自棄にみえる行動をしてしまう子どもだって出てきます。
子どもの可能性にふたをしてしまうようでは,教師としては「いい仕事」をしたとはいえませんね。
また,子どもにとって,自分の行動や結果が満足できない時に,教員の価値観だけで誉めても,子どもは,あまり喜びません。
教員に「おめでとう」と言われても,「なにが?」と思ったりします。
そのままでは,せっかく誉めても誉めたことにはなりません。
原因は,子どもが自分を誉める基準と,教員のそれとのずれにあります。
ですが,教員と,子どもの価値観が違うことは,よくあります。
繰り返しますが,子どもたちは,それぞれ小さいながらも一個の人格を持っていますから,短いながらも,その子どもなりに歩んできた人生で得た,その子なりの価値観を持っています。
そもそも一人一人の人生の歩みが違うように,人間の価値観は,一人一人違っているのが普通ですから,教員と子ども達の価値観がずれているのは,むしろ当たり前ともいえます。
教員から見ると,子どもにとって必ずためになると思える,「ここぞ」という瞬間の,子どもの行動や結果の価値にいかに気付かせるか?
それには,「教員が,子ども達を誉めるための価値規準や価値基準を持っている」ことが重要になります。
次回は,このことについてお話したいと思います。