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DAY 9. クスコからマチュピチュ村

12時25分クスコ発マチュピチュ行き
昨年の11月の段階で確か35%引で予約しておいた列車移動が始まる。($84.42)
クスコの宿から歩いて5分ほどのところに始発のワンチャック(Wanchaq)がある。
ヨーロッパのターミナル駅のような荘厳な駅舎を想像すると、全く探し当てることのできない簡素な駅舎で、ここからはチチカカ湖方面も出ている。地元民の足はバスが主流であり、人々でごった返している様子は全くない。

12:30出発のため、30分前に集合するようにチケットには書かれている。
さらにもう少し早めに待合室に着いた。
時間になると係りが点呼を始める。
パスポートとチケットを確認し終わると、この先に停車している30人乗りくらいのマイクロバスへ誘われた。
ここクスコから途中のオリャンタイタンボという町まではバスで2時間半ほどの移動である。


Wanchaq ペルーレイルのマチュピチュ行き始発駅 ここからバスに乗る

自分の中では、マチュピチュを見終えた今でも、それを遥かに凌ぐ強烈な印象に車窓から目を離せなかった。

クスコはそもそも3,300メートルの高地にある都市である。
周囲はさらに高い山に囲まれている。
マチュピチュ行きのバスは、その山に向かって登って行き、峠を越えるのである。山のはるか彼方の中腹にも、家々が見える。曲がりくねった道をひたすら登ってゆく。
日本では、高地で、しかも見晴らしの良い場所に土地があれば、格好の別荘地や住まいとして、高値で取引される物件であるが、ここクスコでは、高い標高になればなるほど、街並みは汚れ、家々はレンガが崩れ落ち、明らかに生活レベルの違いが変わっているのがみて取れる。

クスコ市内の欧米の観光客で溢れかえっている観光地の様子からは想像できない。
日本はすでに世界をリードする先進国の一団からは引き離されているものの、一億総中流社会に見えるのは間違いない。いわゆる外見はかろうじて保っている。(保っていると思いたい)
ここペルーを含めて、中南米では、どうしようもならない生活レベルの違いを埋めることはできていないような気がする。
メキシコもそうだったが、屋台の物売りや、信号渋滞の運転手への物売りなど、社会に加入している比率が半数以下だという。その日暮らしに日銭を稼ぐ生活を強いられている人々が圧倒的多数を占める。


バスはどんどん山を登ってゆく

バスは峠を越えると、見晴らす限りの草原地帯へと進む。
トウモロコシ畑や、牛やその他の家畜の放牧が延々と続く。
農場の中心にオーナーの家があり、どの家も、峠の高地の崩れかけた家とは違い実に立派な家構えである

2時間半ほどのバスの旅は、一瞬も見逃すまいと、顔をまどガラスにつけ続けて過ごした。乗車中頭が痛くなる瞬間があり、スマートウォッチを見ると、標高3,500メートル超えを示している。

乗り換えの駅舎に着いた。オリャンタイタンボ。年末から春までの雨季には電車の始発はここになる。
観光客向けの宿や土産物屋も沢山あり、多くの人が滞在する街でもあるらしい。
乗り換え時間約30分。
電車に乗り込む。

ここからさらに2時間でマチュピチュの村に到着する。
クスコから待ち時間を含めて約5時間の旅。

基本4人掛けだが、自分の席は2人掛け。自分は窓側。隣にはイタリア人の初老の紳士。いずれ娘さんと合流するらしい。イタリアなのに中南米で話されているスペイン語は全くわからないらしい。言語の壁の不思議を感じる。
娘さんは日本に来たことがあるらしく、いい国だと言っていたという。発車してしばらくはどうでもいい話をして過ごす。

外の景色はバスの景色とは打って変わって、辺境の様子を呈してきている。
切り立った4〜5千メートル級の山間を川に沿ってペルーレイルは進んでゆく。
驚くのは、こんな辺境の山間にも、人家があり、電線が通り数頭の牛や馬が放牧されている事に驚いた。

この地区の人は、いつの頃からかこの地に住まい、生計を立て暮らしているのだろうか。インカの末裔と繋がっているのだろうか。様々な妄想が頭をよぎってゆく。

深い谷間をペルーレイルは進んでゆく

やっと駅に到着した。
マチュピチュ駅。

17時を少し回り、谷間の村は薄暗くなっている。
予めGoogle MAPで頭に入れておいたホテルの場所に向かって坂を登ると、5〜6分で見つかった。さほど値の張るホテルではないが、「できるだけ眺望の良い部屋を」とリクエストしたら、あまりに眺望が良すぎて恥ずかしいくらいによく見える。

マチュピチュのホテルの部屋からの眺め

谷間を川が流れ、両岸に飲食店や宿、土産屋が立ち並ぶ坂の街。伊香保や四万のような佇まいの街である。
有名な話であるが、初代村長は日系人。
恐らくマチュピチュマネーが潤沢で、公立の小学校が近くにあるが、グランドが広く校舎も立派である。

マチュピチュの入場チケットは予約済みであるが、街の散策を兼ねて、マチュピチュ遺跡行きのバスのチケットを買いにゆく。往復$24
バスチケットを含めて公式のチケットを購入する際は必ずパスポートの提示を求められる。(乗車や入場の際にも)

その後土産物屋や飲食店を物色し、簡単に夕食を済ませ、宿に戻る。

明日は5時発のバス。
6時マチュピチュ遺跡入場のスケジュール。
早めの就寝であすに備える。


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