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「仲の町3バカトリオどたばだ奮闘記」 第2章 町立 勝浦小学校  5

第2章 町立 勝浦小学校  5
 
「はい、じゃ1学期はこれでおしまいです。これから長い夏休みに入るけど皆元気で2学期に登校してね。」「きりーつ、れい、さようなら」僕たちはいつものごとくタコちゃんとナカシャと家路に向かった。「帰ってご飯食べてからうちで遊ばへん。冒険号もあたらしいのこうたし。」「ああ、ええよ。」2バカが答えた。しばらくして「タケちゃん遊ぼー」タコちゃんとナカシャがやってきた。「おう、まあ、入りなぁ。お母ちゃん、タコちゃんとナカシャ来たから何か出したって。俺の部屋いこか」「タケちゃん、何もないけどピーナッツサブレとカルピス後でもってたるわ。タコちゃん、さとる君こんにちは、また3人で何か悪いこと考えるんやろ。夏休みやもんなぁ」「アホか、俺ら悪いことばかり考えやるんちゃうで。勉強の話するんやで。」と僕。「あんた等、吉本見過ぎで頭おかしなったんちゃうか。」とおかあちゃん。「じゃかましわー」と僕らは2階のタケちゃんのお部屋に行ったのである。「なぁ、タケちゃん、明日浦島いかへん。ケーブルカー乗って狼煙山(ろうえんざん)いかへん」とタコちゃん。「ええやん。いこいこ。なぁ、ナカシャ」「うん、いこらー。あそこ動物園みたいになったあて、おもろいもんなぁー。」当時、ホテル浦島には、本館より今の山上館(狼煙山)までケーブルカーが走っていて僕らは桟橋から(ほんまは、宿泊客しかあかんのだが)、ボートに乗ってそのケーブルカーで狼煙山に登りそこにあるミニ動物園(羊やサル、うさぎ等がいた。今でいうふれあいコーナー)や遊具で遊んでいた。ボートの運転手が知り合いのおっちゃんで、「また、おまえらか」という顔でおっちゃんは、ボートに乗せてくれた。(浦島の皆様、ほんまはあきませんが、子供の時の話なのでご勘弁を)「はい、とっておきのデザートでございます」とおかあちゃんがピーナッツサブレとカルピスを3つ持ってきた。カルピスは、濃いぐらいがええ。おかあちゃんは、よう分かってる。そして、僕たちは翌日と夏休みの半分くらい宿泊客に交じり浦島のケーブルカーに乗りに行った。当然そのころのホテルにケーブルカーがあるところなんて他になかったし、ましてや屋上にミニ動物園があるホテルなんて他にない。浦島って昔からすごかってんでー。僕ら小学生のパラダイスやー。このケーブルカーも時代の流れで1976年僕たちが小学校卒業と同じ頃廃止となりミニ動物園が露天風呂に代わっており、山上館には、エレベーターで上がれ、またケーブルカーのレールのあった場所には、エスカレーターと健康の為と階段が設置されている。絶好の僕たちの憩いの場所、遊び場だったのである。   つづく
 
 
 
 

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吉村 剛
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