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「仲の町3バカトリオどたばだ奮闘記」 第2章 町立 勝浦小学校25


第2章 町立 勝浦小学校25
 
 
小学6年生の正月が過ぎた頃、「タケちゃん、もうすぐ中学校やさかい、今度N洋服店へ学生服見に行くかん。」お母ちゃんが、僕に聞いた。「うん、今度の土曜日に見にいこよ」と僕。「よっしゃ、300万おろしとくわ」とお母ちゃん。ほんまおもろい母である。その日曜日僕らは仲の町のN洋服店に出向いた。「あれ、タケちゃん、もう中学かん、早いね。ついこの前まで鼻垂らしてそこら中走り回りやったのに、早いねえ。」と店のおばさん。「おばさん、おおきによ。でも一言おおいで」「えっ、そうかん、いつも一言多い美人のおばちゃんって有名やで~」とおばちゃん。「そんなことどうでもええさか、たけひろの学生服見せてよ。」とお母ちゃん。「すまんの~、これどうや、かっこええで~。タケちゃん似合うとおもうで」その頃の僕は、今と違いやせていて格好良かったのである。
(えっ、今も格好ええて。ありがとう、照れるがな。)そんなこんなで僕は非常に普通の学生服とズボン、そして学生帽のセットを買った。裾直しをしてもらうため預けた。いくら負けるとのお母ちゃんとおばちゃんのバトルがありお母ちゃんが勝った。「タケちゃん、お祝いやさかいこの学生カバンもつけたるわ」「おばちゃん、おおきに、今日はおばちゃん美人やね」と僕。「今日はってなに、いつもやで~」おばちゃん、「はい、はいタケちゃん帰るで」とお母ちゃん。やっぱり家のお母ちゃん普通と違うわ。小学校6年生の3月期も僕たち3バカは、いつもいっしょに登校した。まずナカシャが僕の家に来る。「タケちゃん行こー」が合図。家のおかあちゃんが「あっ、さとる君おはよう。タケちゃん早よせんかん」がいつも言うせりふ。しばらくしてタケちゃんが現れ、今度は僕らの小学校で一番学校に近い家に住んでいるタコちゃんちに行く。「タコちゃんいこー」が、合図。        
「あっ、タケちゃん、さとる君おはよう。これ、かず男はよせんかん。」が決まり文句。一番近いのに僕たち3人は、いつも遅刻ぎりぎり。「なあ、もうすぐ俺等も卒業式やん。タコちゃんとナカシャは、中学校行ったらクラブ何に入るん。あっ、ごめんナカシャは、貧しいから働きに出るんやったっけ。」「うん、お母さんとおとうさんが病気で、寝ていて薬代をかせがなあかんのでーすーって、ええかげんせえよー。おまえ。ドリフのコントか。わっはははは。」「タコちゃんは、吉本いくんやろー。岡八郎の弟子になる言うとったやん。」「うん、えげつなぁーーーー。ってどついたろかーー。」という風にアホな会話をしながら登校していたのである。僕たちの頭だけでなく季節も春らしくなってきた3月20日、僕たちは体育館にて、卒業式を迎えた。校長先生のありがたい話、来賓のありがたいのかどうかわからない話、卒業証書授与などなど。僕たち3バカも義務教育というすばらしいシステムにより無事名門那智勝浦町立勝浦小学校を卒業でき、勝浦小学校の長い歴史に3バカトリオの輝かしい功績を残すこととなったのであります。なんのこっちゃ。今後も僕たちは中学生になりドタバタ劇をおこすのである。                 つづく。
 
 
 
 

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吉村 剛
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