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「仲の町3バカトリオどたばだ奮闘記」 第2章 町立 勝浦小学校13 


第2章 町立 勝浦小学校13 
 
 
「なあ、タコちゃんとナカシャ。新しい基地作りに行かへんか。前の基地大分古なってき て遊べんようになってきたやん。なあ、明日休みやから行かへん。」と僕。 基地って何やねん。って思われている方。もうちょっとお待ちを。この話読んでいくと分かるんで。「ええねぇ。行こ。行こ。めちゃくちゃかっこええ基地つくろや。なあ、ナカシャ」「そうやねぇ。材料もすぐ集まるやろ。俺集めとくわ。」ナカシャもうれしそうにそう言った。「頼むで、なかしゃ。よっしや。そしたら明日朝9時にナカシャとこ集まろら。」「うん、わかった。じぁね。」学校帰りに僕ら仲の町3バカトリオは、固 い男の約束を結んだのである。基地を作るには古くなったまぐろ船で使っていたしび縄、板切れ、かなづち、くぎ、ひも、そして枯れ葉や笹そして太書きの何色かの油性マジック、基地が出来上がったとき食べるお菓子とジュース。まあこんだけあればいいてしょう。しび縄は、桟橋に行けばそこら中に捨ててあったものをお裾分けしていただいて(捨ててあるの拾ってくるのだが)、板きれは、市場へ行くと古くなってこれまた、使わなくなったトロ箱をくずして板きれにし使う。これを何枚か用意する。金槌とかは家から借りてくる。つまり材料はただである。そして翌日 、我らの愛車仮面ライダー号(自転車)にまたがり、なかしゃんちへ集まった。「中山くーん。あそぼー。」「おう、いこか、今日のお菓子は、サッポロポテトバーベキュー味やぞ。そしてファンタグレープやぞ。どえらいやろ」ナカシャの家は、酒屋でお菓子もジュースもいっぱいあるのである。しかも最先端のものが。「うそ、バーベキュー味なん。俺今日で食べるの3回目や。どえらいげ。さすがナカシャ。チュウしたろか。」「あほか、気持ち悪いわ」それから僕らは、材料を手にし歩いて勝浦小学校の裏山へ行った。 4本のある程度太い木を探し飛び降りると降りれる高さのところに□の字に板を打ち付ける。そして平行にその上50センチくらいのところに左と右と奥に板を打ち付ける。はじめの下の板に田の字に板をはわす。そして、しび縄を奧から手前、左から右へと編み目になるよう掛けていく。しび縄の編み目ベットが出来上がると、その上に枯れ葉と笹を集めてきて敷きしめる。そして手前の木の目立つところに基地の名前を太マジックで書き打ち付けるのである。
いわゆる木を利用したベットを作るのである。これが僕らにとっての秘密の基地である。「なあ、基地の名前なんにする。」タコちゃんが聞いた。「そうやな~。仲の町トリオハウスにしよら。」とナカシャ。「なんか、もうちょっとかっこようならんかな。」と僕。「仲の町グレートデラックハウスにしよら。」「ええやん。どえらいげ。」 単純に僕らは、すごいとか、でかいとか強いとかいう英語を並べたらええと思っていたアホであった。その名前を板にへたくそな字で書いて釘で打ち付けた。「それでは、我々の基地完成を祝ってかんぱーい。」ファンタグレープの缶で乾杯。そしてサッポロポテトバーベキュー味をほおばる。そして3人そろって叫んだ。「お~。ベリーグレートデラックスおいし~い。」ほんまに幸せな奴らであった。 つづく。              
 
 
 

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吉村 剛
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