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「仲の町3バカトリオどたばだ奮闘記」 第2章 町立 勝浦小学校14
第2章 町立 勝浦小学校14
「なあ、なあ、タコちゃんとタケちゃん。」友達のナカシャが僕らの顔をながめながら話しかけてきた。僕たちが小学校3年生の11月頃の話だ。ナカシャは、名前が中山でナカヤマが36回ぐらい変化してナカシャとなった。僕らはあだ名付けの名人なのである。「なあ、桟橋の近くにピンクに塗った小屋あるやろ、あれなんか知ったあるか。」とナカシャ。「あ、あれか。横の壁もピンクのペンキで塗ったあるし。入り口もピンクのカーテン張ったあるんやで。この前、お母ちゃんにあのピンクの小屋何なんって聞いたんやけど。『そんなんあんたら知らんでもええんやよ。』って教えてくれなんだわ」とタコちゃん。「俺も何か知らんけど、おっちゃんらピンクのカーテンから入っていって出てくる時みんな笑顔で出てくるらしいで。何かのお店かもしれんど。」と僕。「俺の隣のおいちゃんに聞いたことあるけど大人のパラダイスっていうてたで。」とナカシャ。「パラダイスってどういう意味なん。」とタコちゃんと僕。小学生にはパラダイスは分からないのだ。
「今から見に行かへん」とナカシャ。今は午後5時、秋も終わりの頃なので薄暗い。僕らは、ナカシャの家から歩いて約5分のそのピンクの家の前まで行った。看板には「ピンクヌ〇ド」と書かれていて、スポットライトみたいので照らされている。入り口は、ピンクの厚めのカーテンだけ。そのカーテンが少しだけ横にずれていてかすかに中が見えた。真ん中に丸いステージみたいなのがありその周りに椅子がその丸いステージに沿っていくつか並んでいた。浴衣姿のおっちゃんが4、5人ステージから一番前の席に並んで座っていた。ステージ上では、これまたピンクの布みたいなのを着たおばちゃんが寝そべっていた。僕らは、それをじっと眺めていたが、突然後ろから「こら、おまえら何しよんや。ここは、大人のパラダイスやぞ。子供は来たらあかんねぞ」と声がした。「パラダイス」そこに立っていたのは、ナカシャ家の隣のおっちゃんだった。
と、言うことで、勝浦のバスターミナルの近くのN商店の隣には昔、「ピンクヌ〇ド」というストリッ〇小屋があったというお話である。今は空地になっている。ちなみに僕は中に入ったことは無い。大人になる前に無くなってしまった。また現在勝浦には、風〇関係のお店はございません。念のため。つづく。
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