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『東京中野ドタバタ日記』 第一章 上京 Ⅰ
『東京中野ドタバタ日記』
前書きに変えて
はい、那智勝浦町昔懐かし話全100話を書き上げ、その前にパソコンがぶっ壊れ、あれやこれやといろんな方法を試して何とか元に戻ったと思ったら、なんと武士の刀の一太郎ソフトだけ正確に作動しない。なんでやねん。直そう直そう思ってこれもいろいろ試していて早一週間たち、あきらめました。人間あきらめも肝心なのよ~。僕は仕事で一太郎というソフトを使っていてワードが使えない。しかしこの際ワードを使うこととした。人間決断も大事なのよ~。というわけで今ワードのタケちゃんと化しているのである。今回の小説(なんかプロみたいだがズブの素人ですからね。趣味で書いてますので)は、1.僕の高校卒業し上京のシーンから東京中野の坂本荘での2年間の専門学校生生活、2.そして約8年の社会人生活、そして我が愛しの坂本荘を離れてからの約2年間と、さらば東京中野とバカ友たちよというシーンに大きく分かれると思う。思うというのは、まだ全然書いて無くこれから書き上げていくのでどのように変わるか分からない。ただ、頭の中ではあのこともこのことも、とドタバタ話が湧き上がってくる。書き方も那智勝浦町昔懐かし話のように、エッセイのようにⅠ話完結型をとるか、短編小説風にいくつかのタイトルで書きあげるか、また僕という主人公の長編にするか悩んでいる。皆さんご意見ください。ただ、Ⅰ話完結型というのは結構ネタで大変なのである。たぶん短編小説風かな。まあ、とにかく
最初の上京シーンをこれから書いていきます。皆さんおっちゃんの悪趣味とまあ又つきあってやってください。名称もできるだけ実名で書きたいが、人名は仮称で行こうと思う。それでは、近いうち
書き初めでお会いしましょう。では、それまでお元気で。
前書きに変えて タケちゃんより
『東京中野ドタバタ日記』
第一章 上京 Ⅰ
「いや~良かったよ。おめでとう。素晴らしい演奏会やったで」クラブのOBの皆さんや観客の皆さんが口をそろえてそう言いながら、ロビーにいる僕たちに声をかけてくれた。昭和57年3月21日、新宮高校吹奏楽部第1回定期演奏会。場所は新宮市民会館大ホール。今その歴史的定期演奏会が終了したところだ。僕の名前は吉村剛(よしむら たけし、昔からタケちゃんと呼ばれていた)。公立の新宮高校をこの3月の初めに無事卒業したところだ。高校の時の3年間は、中学からの親友の吉中功(いさお君と呼んでいた)が、「ブラバンに興味あるからいっしょに見学に行こう」との悪の言葉にだまされ、2人共その日に入部してしまい、いさお君は、かっこええサックス、僕は分けわからんユーフォニウムというピンクレディの歌みたいな楽器をうけもち3年間風の日も嵐の日も部活の拠点であった生徒ホールに通い続けた。その仲間に、大川賢一がいた。(幼稚園からの親友でピアノの名手、のちに勝浦のモーツアルトと呼ばれるようになる。通称けんたん。)けんたんが、僕らが2年の2学期の時上級生がクラブ卒業し部長なった。けんたんは、いつもクラブに新しい風を。今までにないものを。と言っており、定期演奏会をやろうじゃないかと皆と顧問の先生に提案し皆の賛成を得た。しかしすべて初めてであり、すべて手作りの定演会。チケットも手作り。手売り。会場もなんとか新宮市民会館を抑えて、なんと僕らが卒業式を終えた3月開催となったのである。演奏のうまさも今でこそ金賞を取るくらいの実力だがその当時はB部門の銅賞、つまり県内で一番下手だった。でも本当に部員はじめ0B、OGや先生方や先生方等のご協力によりこの定演の日を迎えたわけだ。会場は満員。校長先生の挨拶等から始まり僕もユーフォニウムとエレキベース、いさお君はサックスとエレキギターと曲により持ち替え、けんたんはトロンボーンをうけもった。演奏会の途中卒業生の紹介があり顧問の山中先生より卒業生に花束が贈られた。
僕らは、観客の皆さんを送り出し控室に戻った。そこには、テーブルに差し入れのお菓子とジュースがあり、まず部長のけんたんの合図で乾杯。そしてなぜか僕の合図で皆で万歳をした。今もその時の音源と写真は宝物である。その席で僕ら卒業生は再度皆に挨拶した。いさお君は「え~、皆さんありがとうございます。今日まで大変やったけどブラバンやり続けてよかったと思います。サックスの部門も後輩の皆さんに無事任せられます。僕はこれから大阪のミキサーの専門学校に行きます。大阪に来たときは連絡ください。」けんたんは、「あのう、あのう、あのう、みんなほんま、ありがとう。やりきりました。団結したら何でもできます。僕はこれから名古屋の芸術大学でピアノとトロンボー習います。ありがとう」。そして僕は「皆さん、ありがとう。チケットも手売り。全部手作りやったけどよかったよね。ほんま満足です。僕はこれから東京の中野の専門学校へ行きます。上京します。ほんま、ありがとう」
と。これが、上京への10日前のことであった。
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