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「仲の町3バカトリオどたばだ奮闘記」 第2章 町立 勝浦小学校15

第2章 町立 勝浦小学校15
 
正月が終わり、僕たちは小学3年生の3学期を迎えた。始業式の時僕たちのクラスに転校生が来た。大阪から来た長髪の西 良樹だ。「西良樹君です。よろしくお願いします」「はい、みんな仲良くせなあかんよ。西君あの席に座ってくれるかな」中先生が僕の隣の席を指さした。ということで僕と西君とは、世なんか気があって、タコちゃんも交えて良く遊ぶようになった。西君は、母子家庭でおかあさんが、スナックで働いており、北浜の観光会館の近くのアパートに住んでいた。僕とタコちゃんは良く西君の家に遊びにいった。西君のアパートには、なんと当時十万以上する電子レンジがあり僕とタコちゃんは、初めて電子レンジという物を目にした。近くのオークワで冷凍食品の食べたい物を買ってきて僕たちに西君は食べさせてくれた。彼の小遣いは1日1000円だった。僕とタコちゃんは1ヶ月3,000円。一桁違うのである。申し訳無かったがいつもおごってもらった。僕たちは4年生になりクラスは変わらないので、いつも遊んでいた。そんなある日事件が起こった。僕たちは西君がたまたま散歩しているとき、観光会館の近くに倉庫があり、少し高いところにある窓のガラスが大きく割れており僕たち子どもなら楽に入れる位のスペースがあり隣の塀によじ登って入れることを発見した。西君は見つけたとき、そのスペースから中に入ったら発泡スチロールがいっぱい積んでおり床にもきれいに並べられており床の上にも楽に降りれて、壁に高く積まれている発泡スチロールを殴ったり蹴っ飛ばしたりして遊んだらものすごくおもしろかったと僕たちに話した。「なあ、俺も何回か行ったけど、見つからんし、上から飛び降りたりしたらおもろいよー。今度いかへんかー。」と僕とタコちゃんを誘ったのである。次の土曜日僕たちは3人で、出かけその悪の遊びへとのめりこんでいった。1か月が過ぎ、ある日曜日の午後ナカシャも誘い倉庫に向かい発泡スチロールの上に飛び降りて僕たちは遊んでいた。突然ドアがガラガラと開き、おっちゃんが立っていた。「こらー、おまえら、なにしよるんじゃー」僕たちは固まってしまった。「この発泡スチロールなんじゃ、おまえらがやったんかー。警察行くかー」僕たちは勘弁しておっちゃんに連れられ近くのまぐろの仲買の方の家に連れていかれた。発泡スチロールはマグロを送るための発砲スチロールで僕たちは、倉庫のほとんどを粉々にしていたのである。一人ひとり名前と住所を聞かれた。すぐに親が呼ばれた。僕はおっちゃんたちに「この子は今日だけついてきただけなんです」とナカシャをかばった。でも本当である。おっちゃんたちは、「ほんまかー、よしお前だけは許したる」とナカシャは帰された。西君とこはお母さん、タコちゃんとこもお母さん、うちはお父ちゃんが呼ばれた。運悪く僕のうちは、マグロの仲買でおっちゃんたちは、当然うちのお父ちゃんを知っている。
お父ちゃんは、ただ謝るしかなく、3人の親で分割し弁償するということで警察には言われなかった。そのあと僕たちは別れ、お父ちゃんは先にバイクで帰っていた。家ではお父ちゃんも、おかあちゃんも何も言わなかった。ただ、それが、余計つらかった。その後、西君は4年の夏休み前に引っ越してしまった。今でも忘れない事件だ。   つづく
 

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吉村 剛
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