「仲の町3バカトリオどたばだ奮闘記」 第3章 うれし悲しき那智中学校9
第3章 うれし悲しき那智中学校9
中3ともなるとかなり格好付けたくなる年頃である。「なあ、イサオ君、そのズボンもものとこ普通のより太ない」と僕はイサオ君に聞いた。イサオ君は、前にも書いたが中一の時から友達で那智山から通っている。エレキも持っていた。このイサオ君今は某楽団でサックス吹いてます。昔から音楽の才能は抜群でした。顔はガリバーやけど。「これ、知らんの、ツータックいうてこのベルト通すとこの下2段階に折り込んだあてニッカボッカみたいにモモのとこ太なったあるんや、格好ええやろ、ナカシャもこれやで」「ほんまかん、かっこええやん、ナカシャもそうかん、俺も買おう」と僕。イサオ君がツータック履いていたのも驚いたが、それよりあの3バカトリオのナカシャが履いていることが腹たった。負けられんと思った。その日の帰り道、ナカシャに聞いた。「ナカシャ、ツータックはいたあるん、どこでこうたん」「あっ、これN洋服店で売りやるで、それからこれも」とナカシャは上着の裏を見せた。そこには龍の刺繍が入っていた。「何やそれ、格好ええやん。」「タケちゃん、格好ええやろ、あんまり派手な刺繍はあかんやろうけど、これくらい何気なく入っているやつやったら大丈夫やで、これもN洋服店やで」「ほんまかん、あのおばさんとここんなんも置くようになったんや、今度こうてもらおう。」
そして、家に帰り次第「なあ、お母ちゃん、ツータックっていう学生ズボンあるんやけどこうてくれん。お尻のとこ、きつなってきたんや。ナカシャもイサオ君もツータックなんやで」家のお母ちゃんは、ナカシャのことは僕と同じくアホやとおもてるけど、たまに遊びに来るイサオ君は、ええとこのボンボンや思ててかなり気にいってたのである。その彼がツータックなんで、「そうやね、、今のズボンも古なってきたさかいこうたるわ」とお母ちゃん。その次の土曜日また初めに書いたようなアホみたいなお母ちゃんとおばちゃんのやりとりがあり僕はツータックのズボンを履いていくようになったのである。
中学3年の1学期に待ちにまった修学旅行があった。行き先は東京である。2泊3日である。
僕たちは、当日紀伊勝浦駅に集合した。前日いつしょに帰ったタコちゃんが、集合時間近になっても来ていない。しばらくして、マスクをしたタコちゃんとお母さんが現れ、担任の先生と話ししだした。タコちゃんは、昔から遠足とかあると緊張して必ず熱を出していた。今回も熱を出したが、一生に一度のことなので、先生にお母さんが頼み込んだ。保健の先生が付きっきりでの参加となった。「おばちゃん、大丈夫やで、僕らも気を付けるさか」と僕とナカシャもお母さんにいった。「タケちゃん、さとし君頼むね」お母さんは、すこし安心したようだった。タコちゃんは、午前中は少ししんどそうだったけど、富士宮についたころは、列車のなかでぐつすり寝たこともあり熱もさがり元気になつたみたいだ。僕たちは、紀伊勝浦駅から名古屋ま特急、名古屋で新幹線に乗り換え、富士宮へ、バスに乗り換え富士山5合目へ、箱根に向かい芦ノ湖遊覧とか楽しみ東京入り、千代田区の「たかぎ」という旅館に宿泊。翌日は国会議事堂、後楽園遊園地とかに行き、宿泊、3日目に新幹線にて名古屋へ特急に乗り換え勝浦へと戻ったのである。修学旅行でのエピソードは、たくさんあるが、またの機会にする。 つづく。
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