那智勝浦町昔懐かし話
第54話『松に桜』
はい、かなり寒い日が続きますが、全国1千万のファンの皆様お元気でしょうか。僕は前に風邪をひきまだ喉の調子が完全ではありません。そんなんでも新年最初の音楽物もアップしました。ユーチュウブでyoshee50で検索すると過去の弾き語りや音楽物も見れますのでぜひご覧ください。ということで結構ハイペースで、書いてますが、昔懐かし話でございます。今回の話は現在も存在するものでございます。町民の方でも知らない方がいるかもしれない取って置きの話ですぞ。今回も前置き長くなりましたね。でわでわ第54話です。
はい、今回の話は、たぶん僕も観光協会で働いていないと知らなかったであろう話であります。那智勝浦町には、温泉郷が2つあるのはご存じでしょうか。1つは、南紀勝浦温泉ですね。もうひとつは、南紀湯川温泉です。この南紀湯川温泉については、次回詳しく書こうと思いますが、南紀湯川温泉の地域は、紀伊勝浦駅から大阪方面に次の駅である湯川駅の近く勝浦に戻るような形で徒歩10分くらいのあたりの事をいいます。ちょうど国道42号線をはさみ、ゆかし潟の対面「きよもん湯」の所から国道に沿ったところともう一本奧へ入ったあたりのことです。その「きよもん湯 」から1本入った道の所に以前Hという宿があり、僕も観光協会に入ってからそこのご主人や女将さんに大変お世話になりました。(ご主人は何年か前にお亡くなりになりました。)その旅館Hの庭に、実は
松の老木に桜の枝が生えている「松に桜」があったのである。(過去形で書いてますが現在もあります)。この木は、非常に珍しく簡単に説明すると松の老木に昔鳥か何かが桜の小さな枝を植え付けそれが松に刺さり年月と共に桜の枝が松から栄養分を吸収し立派な枝に育ったと言う物である。僕も何回も桜の時期にはその見事な松の木に桜のきれいな花が咲いているのを見せていただいたが、見事な物だ。テレビや新聞とかマスコミにも取り上げられたりした。ただし何年か前にご主人が毎年桜の咲く数が少なくなりこのままなら駄目になると言うことで樹医を呼んで手入れをするので、良ければ手伝ってもらえないかと観光協会の僕の所に電話してきてくれた。僕は快諾し同僚のIさんとともにお伺いし樹医さんの指示通り落とす方が良い枝をのこぎりで切ったりする手伝いをした。作業が終わり樹医さんは、「出来る限りの事は、やりましたが、来年桜があまり咲かなかったらもうおそらくよみがえらないでしょう」と言った。翌年の春は手入れをした時より桜の花が少なかった。ご主人は、「やることはやったのでしょうがないのう、あとはこの木に任せようと思う」と言っていた。その後ご主人がお亡くなりになり、旅館の営業もしなくなつたのて゛僕もご無沙汰していた。この話を書くことを思いついたとき久しぶりに、元旅館Hに電話してみた。女将さんが出られ僕はこの「松に桜」の事、ご主人といっしょに生前手入れをしたことなど話し、今はどうなっているか聞いてみた。女将さんは「今は、桜の花の数は以前より少なくなったけど今も春になると桜が咲いているよ」と答えた。
「本当ですか、うれしいなぁ。よかった。今度見に行きますわ」
と僕は電話を切った。本当にうれしい。なんかご主人の思いがこの「松に桜」にとどいたのであろう。今年の春も湯川温泉郷にこの「松に桜」は花を咲かせることだろう。皆さんもこの辺りにお出かけ時はぜひご覧ください。那智勝浦町のひとつの名物である。
第54話終わり
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