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39歳ではじめて映画『ブレードランナー』を観た

映画『ブレードランナー ファイナルカット』を観た。


実は、なんとなんとの初鑑賞で。

これほど名作と呼ばれている作品を39歳まで見ていなかったオレを、逆に褒めてあげたい。

ただ、こういう昔の作品って、気をつけないといけないことがあって。

当時は斬新だったり、その時代的には素晴らしい作品だったとしても、今の作品と比べるとやっぱり当たり前だけど劣ることが多いので、見ていて退屈だと思ったりすることが多い。

アメリカン・ニューシネマ、という時代の映画があって、オレは昔、その時代の作品を見る必要があってたくさん観たんだけど、それが地獄で仕方なくて。

もうね、何回寝たか。
寝過ぎて覚えてない作品が多いこと多いこと。

こういうのってのは、自分が好きじゃないと絶対にハマれないワケで。

とはいえ、アメリカン・ニューシネマの中でも『タクシードライバー』と『時計じかけのオレンジ』だけは異例で、釘付けになったりはしたけど。

まぁそれはいいとして、オレはそれほど映画に無関心なヤツなわけで、こういう作品を見るときは本当に気をつけないといけない。

つーことで、気合を入れるべくミルクティーをいれて、優雅に鑑賞をはじめた。

そしたら、、、冒頭部分で気がついたら寝てた。

マジか!!
マジかい!!

自分でもビックリした。
ただ、これはさすがにまずいと思って姿勢を正して戻してからまた観た。

そしたら、気がついたらまた寝てた。

なんで!?!?なんでよ!?
姿勢正してたよね!?

おぃ!!おいおいおい!!!

どうすんだよ、これ!!!

別に、『ブレードランナー』が面白くないってわけじゃないんだけど、長回しのシーンが多い気がして集中力が全くもってもたない感じで。

ふと、昔見た『2001年宇宙の旅』を思い出した。

あの時も確か、必死に起きようと『時計じかけのオレンジ』の時の拷問器具のように自分の目を手でおっぴろげていたけど、何度も何度も、本当に何度も何度も寝てしまって気がついたら映画が終わっていた、ということがあった。

というか、内容は全く覚えてないけれど、寝まくった、という記憶だけはハッキリと覚えている。

たしか、あの映画も夢を見ているような感じの作品で、やたらと長回しのシーンが多いということもあった気がする、、、

とはいえ、39歳にもなって今回もそんな同じような目にあいたくはない、、、

なんとしてでも観終えたい、、、

どうしよう、、、どうすればいいんだ。

そこで、オレは賭けに出てみることにした。

一度、ここは逆に攻めの姿勢でもって寝てみよう。

いや、大丈夫かよ?って感じだけど、、、もう寝てしまうことも覚悟の上だから!

死なばもろとも!ってなんかヤバい人が言ってた気がするけれど、気持ちはそんな感じ。

ここで寝入ってしまったらそこまで、、、だけど、ここで少し寝て取り戻せばコッチのもんだ!

さぁ、、、寝てみよう、、、

目をゆっくりつむると、あっという間に寝落ちした。

終わった。
このまま2時間ぐらい寝ちゃうぞ、これ、、、

ぐーー、ぐーーー、ぐーーー

いびきをかいて寝てたんだけど、ふと、いや、急にパチっと目が覚めた。

え、あれ、起きた?!

回復〜。
意外と早く回復した。

つーことで、なんとなんとの奇跡的に賭けに大勝して、そこから鑑賞を再開。

そこからは、一度も寝ることなく観れた。
奇跡だ、本当に奇跡!!!

ただ、、、観終えてからこんなことを思った。

「この作品、よ、よくわかんねぇことが多すぎぃぃぃ!!」

起きてたのに、サッパリわからねぇシーンとかあったもん。

とはいえ、そういうわからないシーンとか、かったるなぁなんて思ったシーンはあったものの、、、レプリカントというアンドロイドたちの儚すぎる生涯に思いを馳せないわけにもいられなかった。

4年しか生きれないというレプリカント。

しかも、困ったことに感情というものが徐々に芽生え、さらには、なぜか過去まで捏造して埋め込んでいるのでレプリカントは自分のことを「人」だと疑わないほどで。

そこで、長く生きたいと思ったレプリカントたちは反乱を起こすんだけど、それを人間たちは排除しようとすんのよね。

なんて勝手な話なのよ。

まぁ、その排除すんのがブレードランナーという特任捜査官たちの仕事なんだけど、このブレードランナーを演じるデッカード(ハリソン・フォード)が、また良くて。

その儚いレプリカントに、少しずつ感情移入していくデッカードの揺れ動きみたいなもんもまた、よくて。

ただ、その揺れ動きのシーンにツッコミどころ満載のシーンはあって、ある綺麗なレプリカント美女とデッカードが恋仲になりそうなシーンがあったんだけど、それがまたえらい強引すぎて、

「コイツ揺れ動いてるんじゃなくて、ただただ性欲にまみれたオッサンなんじゃねぇのか!」

なんて思っちゃったりもしたんだけど、まぁ、そういう視点は無視して、

「いや、これはレプリカントに恋をする大事なシーンなんだ、、、うん、大事なシーンなんだ!!」

と自分に言い聞かせた。

あと、ラストのシーンとかも、マジでまったく意味がわからないことだらけではあったんだけど、なんかね、なんかすげぇ哀しい終わりなんだよね。

「じゃあ、結果的に何が残って、何が良かったの?」

と聞かれたら、無知すぎるオレには何も答えることはできないし、そのレプリカントを現実世界の何かに例えることができないので全く伝えることはできないんだけど、

個人的には、映像美やら世界観、自分のやりたいことだけを詰め込んだこういうやりたい放題な作品っていいな、という感じだった。

だってさ、凡人にはこんなにやりたい放題できないじゃん。

自分がこういうの作りたいんだ!!って思っても、矛盾点とかあったら考えちゃうもんね。

「ここは伝わらないかなぁ」って。

でも、リドリー・スコット監督はまごうことなき姿勢でこの作品を世に出したわけで、、、このエネルギーってすごいよね。

オレも、、、芸人としてネタを作る際は、やっぱりどんなに矛盾があっても、作家さんとかに色々と言われようが、自分がイイと思うものは出さなきゃだな、なんて思ったっす。

リドリー監督、思ったっす!!

ただ、芸人の場合、矛盾点が多すぎたらスベりまくる可能性あるけど。笑

まぁでもいいか、こういうカルト映画界の名作みたいに世に残せるんだったら、自分がやりたいことだけを詰め込んでやりたい放題パックみたいなネタも、あってもイイに決まってる。

そんなわけで、自分のやりたい放題のネタを作るってのが、今後の目標になりました。

何度か寝てしまったけど、最終的には観てよかった。

では、また。

ー よせやい太郎 ー


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