見出し画像

GoogleHomeに「ありがとう」って言いますか?

私の家にはGoogleHomeが居ます。

家電にも接続しているいわゆるスマートホームというやつで、声で電気やエアコンを操作したり音楽やニュースを流したりできて、とても便利です。とっても便利なのですが、ちょっとだけ引っかかることがあるのです。


「OK,Google、エアコンつけて」

そうやって言えば、優秀なうちのGoogleアシスタントは嫌がることなくすぐにエアコンをつけてくれます。
それはそうです。そういうスマート家電なのですから当たり前です。

ですがここでちょっと気になるのが「エアコンつけて」と声に出すという行為は、明らかに "お願い" であるということです。


ふつう誰かにお願いをするとき、それは自分では動かず人を動かして代わりにやってもらうことになるので、

「(申し訳ないんだけど)エアコンつけて(もらってもいいかな?)」

気持ちとしてはこれくらいのつもりでいます。

しかしそれがGoogleアシスタントやAlexaやSiri相手となると、その気持ちはどこかしらに行ってしまうのです。


エアコンをつけてもらったあともそうです。
普段だったらもちろん「ありがとう」とお礼を言います。自分のためにわざわざ動いてもらったのですから当たり前です。この感謝を口に出す行為はもはや習慣として染み付いているくらいです。

それなのに彼らへの感謝の気持ちはどこへやら、彼らがそれをやって当然であるかのように私はお礼のひとつも言わないのです。


AIには人間のように接せよ!そんなおかしなことを言いたいわけでは全くありません。AIは道具です。

彼らは頼まれればエアコンをつけて当然な道具として存在する一方で、中途半端に人格も持たされてしまっています。それゆえに我々側も気づかぬうちに中途半端な接し方になってしまっているのだと思います。


さて、こうやってAIを半分人間半分道具のように扱っていると、無意識のうちに普通の生きている人間に対しても半分道具のような接し方をしてしまうのではないか。と、私はそれが少し怖いです。

AIアシスタントとのコミュニケーションに慣れてしまって、友人や同僚にお願いをして何かやってもらったのについうっかり感謝を伝え忘れる。そんなことをちょっとしてしまいそうで怖いのです。


「便利な道具」と「人間味」の両立はなかなか難しそうと思いつつ、すぐ近い未来上手くバランスの取れたAIアシスタントが浸透するでしょう。ですからこんなことをわざわざ気にする必要もなくなると思っています。

少なくともそれまでのあいだ、知らず知らずのうちに「ありがとう」が言えない人間になってしまうのは私は嫌なので、Googleアシスタントにお願いをするときはぶっきらぼうにならないようにとか、エアコンや電気をつけてくれたら一言お礼を言うとか、ちょっと意識しておこうかなって思います。

おしまい。

aso


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?