急性期病院とリハビリテーション
お世話になっております、佐々木です‼️
引き続き、コロナウィルスが猛威をふるう中、まったく関係ない内容を発信させていただきます。
「なぜ?」かというと、今書いておかなければ私の中から容易に忘れ去られてしまいそうな内容だからです。「忘れないように」との意味も込めて、今、発信させていただきます。
今回の内容は私が医療現場で感じた内容を述べることによって、学生として理学療法士をはじめとしたコメディカルとして医療業界への就職を目指す皆様の役に立てれば、と思いました。
※※個人的な意見が多く含まれておりますので、全ての方に当てはまる内容ではないことを、事前にご了承いただければ幸いです※※
簡単な生い立ち
私ごとですが、1ヶ月前までは病院附属の訪問看護ステーションで働いていました。また、2年1ヶ月前までは、地域の急性期病院で働いていました。
職種は理学療法士です。
働き始めたのは2012年(8年前)、つまり、6年間急性期・2年間生活期でリハビリテーションを提供させていただいておりました。
今回は、その経験の中で感じた大事なことについてお伝えしたい、と考えました。長くなりそうだったので、本日は急性期病院での経験について、お伝えします。
①現場での優先順位を考える
結果:緊迫した場面でとるべき行動を理解することで、どんな場面でも落ち着いて行動できる
急性期の現場では、「心肺停止状態」に近い状態、いわゆる「急変」に遭遇する確率が高いです。
そのような「緊迫した現場」で働くと、患者さんごとの「優先しなければいけないことは何か」を先輩や同僚と話し合うことになります。
この経験を繰り返すことで、自分の医療従事者としてのベースが作られます。
話し合うことで、「これはスッと入ってくる」もしくは「これは違うと思う」といった自分の意志を感じることで、ベースができます。
例えば僕は、全身状態悪化リスクの排除→離床→病前ADL確認→ADL指導の順で進めていました。
②バイタルサインと身体所見をリンクさせる
結果:必要な時にバイタルサインが取れ、リハビリテーションの効果を安全に最大化にできる
僕は、実習生や入職当初の頃、何が何でも頻繁にバイタルサインをチェックしていました。さらに、6年間働いても「これが正解」という方法を見つけることはできませんでした。しかし、「自分なりの意味を持って」バイタルサインをとることはできるようになりました。
ひたすらバイタルサインをチェックしていると、リハビリを提供する時間がなくなってしまう。一方で、バイタルサインのチェック無しにリハビリテーションをすると、特に急性期においては「急変」「転倒」のリスクを高めてしまう。
そんな時に必要なのが、「意味のあるバイタルチェック」です。自分なりにこの経験を重ねることによって、年齢や自覚的・他覚的な所見から、「今、測っておいたほうが良いな」という感覚を得ることができました。
これは、最も大切なリスク管理、と考えています。「これはやばい」と感じたら、早めに人を呼ぶことができますし、助けられる命を救うことに繋がります。
できるだけルーティーンではない、意味のあるバイタルチェックを重ねることで、リハビリテーションに伴うリスクを最小限に、効果を最大限にすることができます。
例えば僕は、足関節骨折術後の30代男性の患者さんでは、端座位→歩行後のチェックなのに対し、女性であれば端座位→立位後でチェックしよう、70代男性であれば臥位→端座位でチェックしよう、と考えます。一方、30代男性でも骨盤骨折術後の患者さんであれば、臥位→ギャッチ30°でのチェックをしよう、などと考えることができます。
③バイタルサイン(短期的)の変化を解釈する
結果:危険なリハビリテーションを回避できる
急性期では、短い間に急激にバイタルサインの変化が現れる可能性があります。その変化を適切に解釈することができると、リハビリテーションを続けて良いのか判断できる。その時は中止となっても、代替案となる方法を提示できる。
なぜ心拍数が上がったのか?
なぜ血中酸素飽和度が上がったのか?
なぜ呼吸数が上がったのか?
なぜ収縮期血圧が下がったのか?
上記について、繰り返し考えることになる急性期の現場では、自然と自分なりにバイタルサインの説明ができるようになります。
④連携の難しさを感じる
結果:自分が今の環境を変えるための行動を起こすことができる
誰しも一度は通る、辛い道です。チーム医療が当たり前になっている一方で、コメディカルがそれぞれの立場を主張した時、「どうしてもこれ以上はできない」ってことが出てきてしまいます。
「なんでこの患者さんをもっと良くしてあげられないんだ」と無力感に襲われ、「自分はこんなに良くしようと思っているのに、実現できないのは働く環境のせいだ」と責任転嫁してしまうことがあるかもしれません。
それ自体はあまり望ましくないこと、しかし、必要なことだと思います。大事なのは、自分なりの一歩を「行動」として踏み出してみる。少ししか変わらなくても、その時は評価されなくても、環境を変えるチャレンジを起こすことが大事です。
ちなみに僕は、できませんでした。
(自分のこと棚に上げて何言ってんの?)
できたとすれば、大学院に行かせてください、と頼んだことくらいでした。
(2回頼んで1回目は自ら辞退した。)
これができたら、本当に素晴らしい環境に変わっていくと思います。
(目に見える変化を得るには何回も挑戦しなければいけませんが…)
⑤様々な治療方法と禁忌を知る
結果:疾患に対する治療の方針を理解できる
病棟や各部署における多職種カンファレンスに出席することで、自然と理解できることが増えていきます。
特に急性期病院では幅広い疾患に対する専門的な医療が提供されているように感じました。
疾患に対する具体的なイメージを持つことによって、留意すべきことなどが理解できていきました。手術方法や薬剤管理などについての知識が増える、など、リハビリテーション領域だけでなく、全体的な医学的管理が身につきました。
⑥感謝される内容
痛みや苦しみから回復できたこと、疾患や身体を理解してもらえたこと。
急性期の患者さんは、身体機能や体調の悪化によって病院での治療を余儀なくされています。
状態を理解した上で身体活動を提供することによって、感謝されることが多かったように感じました。
身体に対する理解はもちろんの事、特に痛み・疾患に関する知識はその回復過程とともに理解し、患者さんへの助言をすることによって、信頼関係を築きやすかったように感じました。
最後に…
僕は、新卒社会人として急性期病院に入職しましたが、一番困ったことは幅広い世代の同僚とのコミュニケーションでした。
しかし、めげずにコミュニケーションをとり続けていくことによって、少しずつ馴染めるようになっていきました(2年くらいかかってしまいましたが)。
個人的には、折れない心(継続する強さ)と、プライドを捨てて(泥臭く)動ける力が必要だと感じています。
みなさまが、成長し続けられる職場で働けますように、祈っております
今後も、野球選手の障害予防現場へ還元できる発信を継続して参ります。海外での活動も目指しております、是非ご支援のほど、お願いいたします。