与謝野だより〜大寒 2022〜 《最終回》
2022年1月20日
皆さん、こんにちは。こんばんは。
今年は全国的に雪が多いですねぇ。
与謝野も、先週またしっかりと降り、新たに50cm以上積もりました。
国道や幹線道路には除雪車が何度も出動してくれています。
与謝野ではよく「雲海」を見ることができますが、この季節に見ることができる「雪景色+雲海」はとても綺麗です。
《二十四節気》冬の楽しみは薪ストーブ
火のあるところに煙は立たず
1月20日は【大寒】です。
二十四節気の中で最も寒さを感じさせる語感ですね。
なんせ、『大きく寒い』んですから。前回の【小寒】が可愛らしいと感じちゃいます。
名の通りの【大寒】にすっかり冷え込んでいる与謝野ですが、強い味方が『薪ストーブ』です。
さてここでお題をひとつ。
「薪ストーブを焚いている家の外観を描いてください」
ほとんどの人が『煙突から煙がモクモクと立ちのぼる家』を描くのではないかと思います。かくいう私もそう描くでしょう。そーじゃないと感じが出ないですからね。
でも、薪ストーブの煙突から、ほとんど煙は出ないんです。
今、「そんなバカな。薪が燃えているのに煙が出ないわけないじゃん!」とおっしゃいましたか?
焚き火の煙が顔にかかって涙が出ることってありますし、(煙を避けて座る場所を変えると風向きが変わってまた煙が顔にかかってしまうってことありませんか? それって私だけ?(苦笑))木が燃えたら煙が出るのが当たり前ですよね。
でも実は、木が燃えるという現象は正確には「木から出た可燃性ガスが燃える」ということで、焚き火などの場合はガスが燃えきれずに不完全燃焼して煙となってモクモクしているんです。と、NHKでチコちゃんに叱られたあと教えてもらいました。
薪ストーブは焚き火と違い、閉ざされた空間で木が燃えることで、煙も二次燃焼しているんです。だから煙突から煙が出ないんです。
もちろん、薪が充分乾いていなかったり、空気の取り込みが悪かったりすれば煙突から煙は立ちのぼります。
上手に燃やせば、薪ストーブを焚いているのがバレないと思いますよ。(べつにバレてもいいんですが(笑))
薪は1日にして成らず
さて、「薪が充分乾いていないと上手く燃焼させることができない」とお伝えしました。
生木は(樹の種類にもよりますが)かなりの水分を含んでいます。伐採直後の木を斧で割ろうとするとブシュッと水が吹くことすらあります。
そーゆー木は、火を点けても水分が邪魔して不完全燃焼がおきてしまうんです。
では、どれぐらいの期間、乾燥が必要か?
伐ってから最低でも1年間は乾かしておきたいですね。
つまり、薪は伐ってから1年は燃やすことができないんです。
薪の調達も1〜2年ぐらい先を見据えて計画的に行い、備蓄していかなければなりません。
我が家の場合、10月末から3月末までで合計4.5〜5トンの薪を焚くので、毎年それぐらいの薪を補充していかなければならないのです。
すぐに使える”乾燥した薪”を買うと(ネットで検索したら)20kgで1,700〜2,000円ぐらいでした。
もちろん、そんな値段で買うことはできないので、どこかで木を伐る情報があれば手伝いに行って原木を安く売ってもらい、チェーンソウでストーブ用のサイズに切り、斧で割って、積んでいます。
ローマは1日にして成らず。なんて言いますが、薪も1日にして成らずなんです(苦笑)
オーロラ燃えは幻想的
こんなお話をしていると、薪ストーブ生活はかなりの苦労(?)をしいられるように思われますが、それを増す楽しみがあります。
ストーブの火を見ていると、ホント飽きません。
ボウボウ燃える火、チョロチョロ燃える火、シューっと湧き上がるように燃える火、ほとんど炎を上げずチカチカと点滅するような火など様々です。
ひとつとして同じ火はありません。一期一会です。
なかでも、薪ストーブでしか見ることのできない「オーロラ燃え」は幻想的です。
可燃性ガスが薪の上空でユラユラと揺れながら燃えるんです。
焚き火や暖炉などの開放型の燃焼では見ることの出来ない不思議な燃焼です。
薪ストーブの前で、炎を眺めながらロースト感のあるビールをゆっくり飲む。なんて、まさに冬の醍醐味です。
与謝野クッキング
部屋が乾燥しないように、ストーブの上にはポットや鉄瓶を乗せています。
が、ただただお湯を沸かすだけでは熱エネルギーがもったいないので、煮込み料理を作ることがあります。
《豚バラ肉と牛すじの煮込み》
《作り方》
豚バラ肉に竹串がすっと通れば完成。
たっぷり茹でたので、もう一品(笑)
《豚バラ肉と牛すじのテリーヌ》
・テリーヌ型に、肉と茹でた人参を棒切りにして並べる。
・豚バラ肉をのせる。
・隙間に牛すじ肉やしめじを詰める。
・市販のゼラチンを茹で汁に溶かし、テリーヌ型に流し込む。
・粗熱をとったあと冷蔵庫に入れれば、数時間で完成。
・スライスして盛り付ける。
ありがとうございました。
昨年の【立春】からお届けしている『与謝野だより』、今回の【大寒】をもって二十四節気が最終回となります。
1年間、お付き合いいただきありがとうございました。
オフィシャルサイトでもお伝えしておりますが、京都与謝野酒造は、2022年1月10日をもちまして業務を終了しております。
2020年8月に販売を開始したハレバレゴールデンから、ツキカゲブラック 、涼風ゴールデンと3銘柄をご愛飲頂き、ご支援いただいた皆様には心より感謝を申し上げるとともに、ご迷惑をおかけしたことを深くお詫び申し上げます。
与謝野では引き続きホップ栽培がおこなわれております。
与謝野ホップに関しては、以下のサイトでご覧いただけます。今後とも応援していただければ幸いです。
また、ホップレンジャーに登録いただけると、与謝野でのホップ栽培にも参加できます。ご興味のある方は是非ご参加ください。
2022年 大寒 与謝野から 藤原ヒロユキ