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【第一回】Grass Roots G-NS-70レビューと改造した話【PUと配線編】


・購入に至るまで

皆様はナイトメアと言うバンドをご存知だろうか?
00年代にネオビジュアル系と呼ばれる世代のビジュアル系ジャンルのバンドとして以来、2024年現在も精力的に活動しているバンドだ。
そのナイトメアの下手(しもて)リードギタリストの咲人氏のシグネチャーモデルを私は所持している。
かつてはESP製のSho-Ryu-Ken II、Edwards製のE-SRK-IIも2年間ほど所持していた。

私が所持していた実物。
上がESP、下がEdwards。
PUや木材は全く同じだが、
ボディの加工やヘッドの形状を始め木材のグレードも違う。

コロナ禍に精神的に参ってしまったことがあり、音楽や楽器そのものが嫌になってしまって一時の感情に左右され手放してしまったことは今でも悔やまれるギターである。
そんな私が、やはりギターやベースから離れることができず再開をするのだがそんな時に手にしたギターがESPのコストパフォーマンスブランドのGrass RootsのG-NS-70だった。
やはりギタリストとして尊敬している咲人氏のSho-Ryu-Kenシェイプが忘れられず、ヤフオクを見てほぼディスプレイとして購入され状態の良いものを26,000円で落札に至ったと言う経緯だ。
この時はマイナポイント還元もあり、ポイントを使い実質6000円で購入した。
そんなESPを所持していた私が、Grass RootsのG-NS-70をカスタムにカスタムを重ねて納得いく仕上がりに仕上げていく過程を綴るのが本記事になります。
今回のPU、配線編を第一回とし、第二回のGOTOH製トレモロユニットとD-tuna取り付け編、改造してきて使った個人的な感想のまとめ編と三回構成でお送りしたいと思う。
私の所持してるギターの一つの紹介で、またもし同じギターを購入しようとしている方の参考になればと思って最後までお付き合い頂けると幸いです。

・買った時の印象

やはりEdwards、ESPと所持してきて、はたしてGrass Rootsに満足できるのかと言うところであったが絶対に満足できないと確信を持って購入に至ったわけだが改造を最初から視野に入れていた。

届いて直ぐに撮影したもの。
  • デフォルトの以下はスペックだ
    ボディ:アルダー
    ネック:ハードメイプル、セットネック
    指板:ローズウッド
    フレット:24f
    ブリッジ: Floyd Rose Licensed
    ピックアップ: (ネック) GS-1G(ブリッジ)GH-1G
    コントロール:マスターボリューム、PUセレクター3way、リアPUコイルタップスイッチ

・外観
最初に手に取って状態を確認した時、Sho-Ryu-Kenモデルのあの感覚は確かにあり、フレットの状態も悪くはなかった。(専門のリペアマンの方からはフレット新しいのに打ち直したのかと言われる程度には状態が良かった。)

指板がローズウッドながら自分が買った個体は比較的色味が深いローズウッドで見た目のバランスも悪くなかった。ESPの物は高級木材であるエボニーが使用されている。
勿論、ESPやEdwardsと比べるとシェイプの簡略化やコスト削減が感じられる場所はあるけれども、確かにこれは咲人氏のシグネチャーモデルだと納得する出来だ。

・音について
最初にアンプやIF(Black Star FLY3、BIAS FX)に繋いで鳴らした時の音の印象としては……

①ピックアップがフロントもリアも音がのっぺりしている。
②妙にエフェクトの掛かりが悪い。
③コイルタップしてリアピックアップをシングルに切り替えてもセンターで弾いても音の違いがほぼ出ない。

と言ったところだった。
それもそのはず。Grass Rootsのギターはシェイプこそ各々個性があれど搭載されているPUは韓国製のG&Bと言うメーカーのPUに統一されているのだ。
まず真っ先にPUと配線の見直しをする事にした。

・ピックアップと配線を変えよう!

ピックアップはエレキギターのエンジンだ。
エンジンがダメな車がまともに走れない様にギターも同じなのだ。
まずピックアップはフロントはSeymour DuncanのSSL-1で確定していた。
理由としては今まで使ってきた咲人氏シグネチャーモデル全てにSSL-1が載っていたからである。
ただ、SSL-1はメーカーロゴの入った白色のカバーしか付属していなかった為、御茶ノ水でESP DUNCAN SE PICKUP COVERのロゴなし黒を購入。
リアは非常に迷った。同じくSeymour DuncanのTB-4Seymour DuncanのTB-11かと言ったところだ。
どちらも咲人氏が使用しているピックアップだが、悩んだ結果、太い高域が欲しかったので、TB-11を選んだ。
完全に黒いESPのSho-Ryu-Kenモデルと同じPU配置となった。

実際に変えてみた写真が以下のもの

交換前
交換後

見た目に大きな変化はない様にみえるが、ここで問題が発生した。
なんとフロントピックアップのSSL-1がポン付けできない!と言う事に気づく。
G&BのピックアップはSeymour DuncanやDiMarzioのシングルコイルがぎりぎり入らないザグリサイズでした……

私は木工加工は触り程度なら出来るが工具や作業スペースがないので最寄りの楽器屋に駆け込みザグリの加工を頼むついでに面倒なのもあってPUの取り付け、配線の仕直しを全て任せてしまった。

配線はウェスタンエレクトリックで、自分は昔所持していたギターの殆どがウェスタンエレクトリックの配線にしていた。
配線はヴィンテージの単線が好きなのです。出音がスッキリして押し出してくれるような、この線材でしか得られない独特の「味」があると思う。
安牌を取るならやはりベルデンや適当なクロスワイヤーとかが無難なのでは無いかと思う。

以下は配線の画像である。

元々の配線。
よく安ギターにあるいわゆる廃線材。
配線に無駄が多く音も良くない。
ウェスタンエレクトリックのもの。
見た目がスッキリして音も良くなった。
ウェスタンエレクトリックの配線は布を取ると
ブラックエナメルが塗られた単線が出てくるので
ブラックエナメルをヤスリで剥がしてから半田付けする必要がある。

・実際にピックアップを変えてみた感想


ここまででようやく音に説得力があるものに仕上がった。
音を出すとデフォルトのPUと違い、「あっ、ライブで聴いた事のある、あの咲人の音だ」と思える様になった。

SSL-1はいつものあの音と言う安心感があった。このピックアップの音、嫌いな人いる?

特にTB-11は初めて搭載してみたが非常にまろやかな音を奏でてくれる良いピックアップだと感じたし、何処か尖った所があると言うわけでもなくなんでもそつなくこなせる優等生と言った感じのPUだ。
物足りない人は物足りなさを感じるのではないかな?と言うのがTB-11の感想だ。

リアピックアップのコイルタップも実用性足りうるものになり、ナイトメアの曲で言えばthe WORLD等はセレクターセンターのハムバッカーで、Lost in Blueの様なベルトーンが欲しい時はセレクターセンターのコイルタップしてシングルへとやるとそれっぽい音になる。

しかしこのピックアップカスタムを経て、ESPのSho-Ryu-Kenを知る私の欲望は更にカスタムへの歯車を進めていくこととなるのであった……!

次回はトレモロユニット周りのカスタムとD-tunaの取り付けのカスタム編になります。
興味がある方は是非お付き合い頂けると幸いでございます。

それでは今回はここまで。ここまでご覧頂いた方ありがとうございます。夜咲縁寿でした。

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