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好き、嫌い

冷え性である。
小さい頃から冷えに困っていた。というか、他の人がどんな感じか知らなかったので、真冬でも平気で外遊びをする友人たちが不思議だった。

スキーが嫌いで練習の途中で泣いた。
母には根性がないと叱られた。
手足が冷たかったのだ。
スキーが大好きな父に毎週スキー場に連れて行かれ、スキーは得意になった。
運動オンチの私がスキーだけ上手いので体育の先生には驚かた。(ただし3学期なので1年間まとめての評価のため1がついた。)
スキーは得意だったけれど、寒いのでしなくなり、得意かどうかもわからなくなった。

夏に海で泳ぐのが好きだ。
水泳が得意である。
私の中学、高校では水泳の授業がなかった。
夏の体育は球技である。
みんなでチームで頑張る、が苦手である。
競技の途中で、なんでこんなに頑張ってるのかな、とふと思い、ぼーっとなる。
ボールがあり得ないところに当たって怪我をしたりする。
バスケットボールやバレーボールが怖い。
凶器に見える。
玉を奪い合う友人たちも怖い。
あげく、マジメにやって!と叱られる。
大人になってよかったことは、球技をしたくなければもうしなくていいことだ。

4月の体育は毎年体力診断テストがあり、自分の身体能力の低さを級友たちに晒す情けない時間だった。
何故だか踏み台昇降運動での脈の回復が早く、持久力は5段階評価で5だったが、脈の回復が早いことは目に見えないので、私の持久力の素晴らしさは私しか知り得ないのだった。
立位体前屈は最悪で、先生から、ふざけるな、と激怒された。激怒されても硬いものは硬いので、マイナス30センチなどという記録になった。
30歳を超えてからヨガにはまり、インストラクターの資格を取る自分がいるとは信じられない。

好き、と得意は違うのだな、と思う。
好き、はいつのまにか続けていて得意に近くなる。
体育全般を憎んで⁉️いたけれど、実は好きなこともあったのだな、と体育の授業をしなくなってから気がついた。
何の体育系の部活にも入らなかったけれど、今では日常的に運動(ヨガ)をするようになった。

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