混濁日記 2020.0401-0405
#日記 #小説
2020.04.01
新型肺炎の罹患者は右肩上がりのようでついにこの日を迎え、年度が切り替わる。いつも4月に感じるあの1周して振り出しに戻ったような、覚えがあるけれど全く違う遠い場所に来てしまったかのような切なさが強めに配合された複雑な感情に今年は罹患しないまま夏を迎えるのかもしれない。
マイクロブログサービスでたまたま見かけた「死につながるかもしれないウイルスへの抽選は既に2週間前に行われている」という表現。最初こそ嫌悪を感じたが、次第にその通りだなと感じるようになった。小さい頃に友達同士で「何してる?」という問いに「生きてる」とか「息してる」とか下らない回答をすることが流行った時期があった。印象的だったやり取りを思い出したのだ。それは僕が「心臓を動かしている」と答えたことに対して、友達が言った否定の言葉だった。彼は「それは動かしているんじゃない。心臓は勝手に動いている。その証拠に止めることが出来ないだろ」と主張した。彼の言う通りだった。僕らは心臓を制御していない。それは生きていると同時に生かされているとも言える。心臓だけじゃなく、今回の疫病だけじゃなく、大きな何かに。
今日も雨が降っている。悪い気分じゃない。
2020.04.02
感染を避けるためのシフトや自宅待機について話しあいが持たれたが切羽詰まるまで具体的な話にはならないだろう。かならず1つの問題を解決しようとすると別の問題が絡みついていることが分かり、物事が進まない。言葉にこそ出さなかったが今回の件も不要不急の定義が曖昧すぎるのだ。
2020.04.03
新型肺炎での外出自粛を受けて旅行のガイド本が売れているらしい。それを読むことで外出できない中、渡航/旅行の気分を味わう。それが本当なら素晴らしい教養の1つだろうと思う。
2020.04.04
うちの会社もビル内で班を分けて出勤をまばらにしたり仕事のエリアを分けたらしいが紙の申請書にハンコをもらいに行く往来の中で感染が広がって少なくない人数が出勤不可になったそうだ。
2020.04.05
(ログがない)
購入、サポートへのメッセージに掌編を5つに分けて載せています。 ランダムに表示されるはずなので気が向いたら集めてみてください。