【詩】シャウト

シャウト

差し込んできた朝の光に
照らされた過去の言葉は心肺停止
昨日の深夜は君も笑っていたのに

煙草の煙で黄ばんだ心
大人になることを履き違えて
積もっていく吸い殻の山

追い求めた言葉は集積できず
読めない本の背表紙がただ僕を睨む
挟みもしない栞はまた淋しそうに泣く

狙い澄ました顔の幼少期の僕
紙吹雪の中で自由に踊っていた
稚拙ながらも無作為で今日の僕は憧れた
いや 嫉妬した

壁一面の付箋が煽る
横並びの苦戦が付きまとう
逃げ腰の不戦の感情
笑う君の無線から聴こえた声

「悲しみが寝たきりの内に逃げてしまおう」
そう聴こえた
「苦しみが寝たきりの内に逃げてしまおう」
そう聴こえた
「淋しさが寝たきりの内に逃げてしまおう」
そう聴こえた

僕は夜の帳で頷いた
泣いてるような笑っているような顔で頷いた
そうして書ける
そうして書けた
そうして駆けたんだ

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