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「選択」と「決断」

「選択」と「決断」

私たちは普段、この二つの言葉を意識的に使い分けない。しかし、これらは似て非なる言葉だ。

「選択」とは、確かな正解がある中で、それを選ぶこと。
「決断」とは、確かな正解がない中で、それでも何かを選ぶこと。

例えば、テストで4択から正解を選ぶとする。そういう場合なら「選択」と言えるだろう。一方で、今日の夕飯は焼肉か、それとも寿司かといった問いに正解はない。こういう場合は「決断」と言える。

私たちは小さいころから、正解のある問題ばかりを解いてきた。だから、何かを選ぶとき、つい正解を探してしまう。正解が見つかるまで悩み、立ち止まってしまう。

けれど、人生の多くの場面で、確かな正解があることなどない。人生は「選択」の連続ではなく、「決断」の連続なのだ。

どれだけ探しても正解は見つからないし、自分の選んだ答えが正解だと思わせてくれる何かも存在しない。探せば探すほど、どれが正解かわからなくなり、迷子になる。

私もかつて同じように迷子になった。どの大学に行くべきか、そもそも大学に行くべきなのか、他にも沢山の問いに躓いた、今考えれば、悩むのも馬鹿らしいと思うような事も沢山ある。

けど、当時の私は真剣そのものだった。確かな答えがあると信じて止まず、いつまでも悩んでいた。でも、あるとき気がづいた。立ち止まっていては一歩も前に進めないと。

だからこそ、私たちは「決断」せねばならない。何を選ぶか、何故それを選ぶかよりも、選ぶこと自体に意味がある。決断し、行動することで初めてわかること、手に入るものが必ずある。

もしあなたが今、どれが正解か悩んでいるとして、少しでもこれだと思わせてくれる何かがあるのなら、迷わずそれに賭けてみよう。たとえそれが、どんなに些細な理由であったとしても。

私は秋葉原が近いから東大を選んだ。今考えれば、馬鹿げているにも程がある。それでも、東大を目指すと決断し、それに向けて努力したからこそ、沢山の事を学び、成長することができた。もしもその理由に賭けていなかったとしたら、今の私はあり得ないだろう。

決断した直後のあなたは、間違った選択をしたと思うかもしれない。でも、決断し、前へ進んだ分だけ、あなたは必ず強くなる。どんな結果に終わろうとも、10年後のあなたはきっと、「あの決断をして良かった」と思っているはずだ。

正解がわからない中で何かを選ぶのは不安だ。「失敗したらどうしよう」と考えずにはいられない。けれど、ぐずぐずしていたって、いつまで経っても何も得られないのだ。

だから、勇気を持って、一歩前へ踏み出そう。
やらない後悔より、やった後悔。

大丈夫。きっとどれも正解だ。

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