ポケット屋敷の探し物184 暗闇の向こう
ま、元々イカレ愛人との間に出来た野郎が溺愛サイコパス親父にずっとおかしなこと吹き込まれてたら常識なんて通用する器になるわけないか。
ここはまともに取り合っても揉めるだけ。
何とかこいつに刃月探しをしてもらわなきゃ!
と考えた逸美は言い返すのをやめた。
「ふん、分かればいいんだよ。下人のガキはあったまわりーから一回できかねーんだな。あーあ。」
こっちが空気読んでるのにすぐ図に乗るのもイラつくけど抑えて作戦を練り始めた。
「ここは?」
暗闇に目が慣れてきた奈々は呟いた。
細く、真っ暗な梯子を1番下まで下りて、左の方に伸びる通路を進まずに刃月は梯子の向かいの壁の所でマスターキーを操作した。
そしたら壁が開いて、真っ黒な闇が口を開けた。
「足元に気をつけなきゃいけないから私に捕まって。」
刃月は奈々の体に腕を回してしっかり捕まえ、その闇の奥へ入った。
そして、少し入っていった所で刃月はマスターキーを上に向けてボタンを押した。
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