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歪んだ電子音、縁った装飾施された天鵞絨生地の椅子。 窓の白いカーテンは飛び乗った拍子に裂…
七尾の狐あ・うんと誘えば 朱色の鳥居はえんえんと ぱられるぱられる あちらこちら線の上 反…
微温湯に浸かってふやけた皮膚が 縛った そのごわごわとした卵管を 探り当てる 真綿の嘘が水…
十月十日の束を一括りにして 捨てましたの ちちはは埋めた小川のほとりに 幾重にも蔦絡め重石…
空き家に灯る シンボライズされた色相環に 黄色い嘴で 囁くよ 青い鳥 丹生色したカーテンは …
光も波もいまだ届かぬ底で 重き枝葉から零れた金柑を眺めている 泥舟の軋み笹舟の撓み 金環ま…
耳朶に白亜色の紋白蝶が飛来し ピアスホールが深くなる 穴からは蛹が春を告げたかと思うと 一瞬にして加速した季節に 僕はさめざめと泣いて 優しい骨を埋めた
波紋は問掛ける 水面を行き着く処の無いものが動いたよ こぽ っと音を立て た 繰り返したのは…
群青の空が紗白と混じるころ に あたしの眠る想いは枕の下に埋め た 真実の中に嘘はあった…