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その日、かわいいと背中合わせの人と一緒に、東京を既読する



「今日は!
 東京を!
 既読する会です!
 傘をさして、気をつけて待ち合わせ場所に向かいましょう!」


月単位でも一日単位でも、何かそのときのテーマがあると気分が盛り上がるわたしは、朝に遠足気分で、お昼過ぎに会う約束をしている"ある人"に連絡を入れた。

その"ある人"とは、すでにTwitterには書いているが、Twitter、そしてこのnoteを中心に活動をしている"いちとせしをり"(以下、しをりちゃん)である。



マジで、しをりちゃんの文章はかっけーんすよ!

わたしが初めてしをりちゃんの文章を読んだとき、とにかくめちゃくちゃ面白い人がいる!と思った。文章に感情が込められているし、構成も良くて読みやすいし、え、何これかっこいい、、そう思った。そう思ったからこそ、本当にたまたま、何気なくしをりちゃんのノートにコメントを書いたとき、いつかゆっくりお話ししたいですね、という流れになり、お茶をする運びとなったこと、わたしのことも好きだと言ってくれたことも、嬉しかった。


ただ、いざ会うとなると、一つだけ心配なことがあった。
それはしをりちゃんが全然しゃべってくれなかったらどうしよう、ということである。

わたしは人見知りや、人と会うのにあまり緊張はしないけれど、きっと人見知りまではいかなくても、緊張する人は多いだろう。
かといって、人見知りや緊張しないのと、しゃべりが上手いのがイコールで結ばれないところがわたしの悲しいところで、会話が途切れないように話したり、必ず話しのオチをつけたり、すべらない話をするトーク技術は残念ながらわたしにはない。
そんなことを思ったりもしたけれど、「ま、いっか!」と思えたのは、すごい文章書けるしをりちゃんは、絶対に普通じゃないしそれだけで会ってみたいと思っていたからかもしれない。


しをりちゃんはしをりちゃんで、自分は女の子じゃないけど本当に大丈夫か、たぶん自分の方が年上かもしれないとか、いろいろ気にしていたみたいだけれど、仮にしをりちゃんが女の子になりたい40代の人だったとしても、表現力が豊かなのは変わらないわけだし、それはそれでめちゃくちゃかっこいいとわたしは思っていた。

だってどんなことがあっても、目の前の人を全力で応援したいし、否定なんかしないし、相手がしをりちゃんではなかったとしても、友達でも、知らない誰かでも、わたしにとっては変わらない気持ちだから、性別も見た目もなんでもいいじゃん。



似ているようで似てない、遠いようで近い二人

そして、実際に会う時間が近づいてきた。
近づいてきた、と言っても、その日は雨が降っていたし、早めに向かって本屋さんに行きたかったわたしは、待ち合わせ時間の1時間ちょっと前には駅に到着した。
この時点でしをりちゃんに、「先に着いて本屋さんにいるから、ゆっくり来ていいよ」と連絡しようかとも思ったけれど、1時間以上も前に着いてるって知ったら逆に焦らせるかもしれないし、粋じゃないか、待ち合わせ10分前くらいにまた連絡してみよ、と思い直して本屋へ向かった。

いろいろ物色しているとあっという間に時間は過ぎてゆき、待ち合わせの20分、15分前くらいだろうか、しをりちゃんから予定通りの時間に着けると連絡が入り、ほしかった歌集と詩集を手に取って慌ててレジに行き、待ち合わせ場所へと向かった。


しをりちゃんは服装の特徴を連絡してくれていたのに、降り続ける雨や、少し急いでいたことも重なってその連絡には全く気がつかずに目的地に到着。

「どこだろう、しをりちゃん」そう思いながら携帯を見ようとしたときだった。
誰かがわたしの肩を叩いて、携帯の画面をしきりにこちらの顔に近づけてくる人がいた。その人は、なんだかんだで待ち合わせ時間ギリギリで急いでいたさっきまでのわたしよりも慌てているし、何かを必死に見せようとする携帯の画面はわたしの顔に近すぎて何が写っているのかさっぱりわからなかったが、「もしかして!」とわたしは思い、「しをりちゃん?」と尋ねると、身体を大きく揺らして頷く女の子がそこに立っていた。

無事にしをりちゃんと落ち合えたこと、事前に話していた喫茶店へと向かう途中、しをりちゃんの方からも話しをしてくれたことで、わたしはすっかり安心しきっていた。


喫茶店に入ってから出るまでの時間、楽しくなかったはずもなく、楽しい時間だけがあっという間に過ぎていった。

本気で文章と向き合う人とお話が出来たのはわたしにとって初めてのことで、本当に刺激を受ける時間だった。

朝型で、好きな映画や本を繰り返し見るタイプのしをりちゃんは、自分のために本当にエッセイに時間をかけていて、方や夜型で、本や映画自体が好きなわたしは、詩はそっちのけでしょっちゅう様々な作品に浮気をしているし、誰かのためにじゃないと詩を書くモチベーションが上がりづらい。
それでも年齢を聞きあったら結局わたしの方が年上だったけれど年も近くて、文章を書くからにはより多くの人に届くような、かっこいい文章を書きたいという気持ちは同じだった。

ただ、わたしには改善しなければいけないことが多すぎるあまり、反省ばかりが頭に浮かんで、わたしもしをりちゃんを見習って頑張らないとなって、そう思った。人間っておもしろいよ。


なんだか長々と書いてしまって、まとまりがない文章になったけれど、これで最後に。

出会った瞬間に身体を丸めながら安心していた仕草や、嬉しそうにイチゴのショートケーキを選んでいたこと、恥ずかしい恥ずかしいと言いながら、わたしの目を見て話してくれたことを思い出すと、"かわいい"のお腹から生まれてきたようなしをりちゃんは、やっぱり女の子なんだなって思うし、一番嬉しかったのは、しをりちゃんがしをりちゃん自身のことをいっぱい話してくれたことでした。



今回の出来事をしをりちゃんの方でもノートに書いてくれているので、ぜひ、読んでいただけたらと思います。



P.S.
本当はしをりちゃんにお花でも買っていこうかと思ったけれど、雨も降ってて荷物が多くなってもな、と諦めてしまいました、ごめんなさい。。
帰り道にしをりちゃんがわたしを駅まで送ってくれたこと、しをりちゃんの方から今度はお酒でも飲みに行きたいねって言ってくれたこと、嬉しかったです。
お酒でも、またコーヒーでもいいから、またお話ししましょう。
次はしをりちゃんに合いそうなお花、持っていきます。
ありがとう。



夜野



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夜野なみだ
きみのために風は吹いている そう思えるのはきみのかけがえのない生活が、日々が、 言葉となって浮かんでくるからだと思う きみが今生きていること、それを不器用でも表現していることが わたしの言葉になる 大丈夫、きみはきみのままで素敵だよ 読んでいただきありがとうございます。 夜野