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思い出は泡だから、壊れやすいのは当然で、毎日があったことを忘れないためにも丁寧な暮らしを何度もしよう、未来に繋がっているのは健康だけで、何歳になっても私たち、呼吸をしてれば生きていける。 この空も、水も、空気も、夜風も、八月のためにあるものだと思っていた。それなのに九月が迎えにきて、すべてをさらっていく。わたしの口や鼻から夏が抜け、絵や写真でしか確認することができなくなり、一番きれいだった夏、ふくらむような明るさに恋をしたことを思い出す。夏が体から抜けて、足りなくなった