あいたりない

あいたりなくて
泣きそうだ

もうきみにはあいに
いけないのかな

そっと近づいて　顔を寄せて
ふとした時に僕が香るように

ぽこぽこ浮かぶ
泡沫のように

日日並べてみた
昨日も消えた

そうかだから猫は死ぬときに
一人になるんだな

新しい世界へどうぞって寂しいと思えるのが
莫迦な僕には少なくて嫌になるな
いつまでも忘れないことなんて
隣に居続けてくれないと
あいたりなくて、泣きそうなんだ

ようやく一人での生き方がわかったんだ
それなりに付き合ってくれる人もいるんだ
あなたみたいな重い思いなんてないけど
足りないものをずっとくれてたね

これからも記念日を忘れるなら
これからも好きなものを言えないなら
これからもあいたりないなら
これからも

新しい世界へどうぞって寂しいと思えるのが
莫迦な僕には少なくて嫌になるな
いつまでも忘れないことなんて
隣に居続けてくれないと
あいたりなくて、泣きそうなんだ

一生なんて言葉を嘯いて嘘となるのが
莫迦な僕には怖くて嫌になるな
足りないのではなく欠けているのか
僕はどこで間違ったんだ
愛せなくて、悔しいんだ

あいたりなくて
泣きそうだ

あいたくて
泣きそうなんだ

傷ばかりの手　とりあうのは
傷を知る人に譲るよ

ふとした時に僕が香るかな