位相関係
形あるものが容易に変容していく。
形ないものはもっと変容していく。
バランスの取れていたシーソーは、片方変わるだけで
変わらなかった方の位置まで位相されていく。
「あなたが私のことを、どうでもよくなったのかと思った」
そういわれ、「いい訳だ。都合のいい言葉だ。」という言葉を飲み込み、どうでもよくなさそうに「ずっと好きだったのに」といった僕の正気を疑う。「のに」の後には何が続いたんだろう。僕はずるい人だ。
二人で交換した弁当も、初めて手をつないだあの高台も、電車の中一つのイヤホンを二人で聞いたあの日も、日常に溶け込むように、首筋を求めた痕も、家にまだ残っているあの子のパーカーも、歯ブラシも、ネックレスも、トイカメラも、たまに街中にくすぶって思い出してしまうあの匂いも。
あの狡さの前で砕け散ったのだと思っている。
それはもう木っ端みじんに。
「まったくもって、ダメダメな男でした。僕はずっと焦っていて、あなたのことなんかよく見れなかった」「傷つけてごめん、僕は、申し訳ないけど、これから他の人を愛していくよ」「また、会った時に、本当の意味で謝るから」「あなたのためにはならないと思う。でも、聞いてほしい」
「また、ごめん。これで最後」
あなたとの温度が冷めていくのを感じて
僕は諦めちゃったんだ
「誰かの彼女になりくさっても」を
別れるまえから聞いてたんだ
どうしても諦めたくないと思うには
どうしようもなく離れていて
自転車で一時間の距離よりも
新幹線で三時間の場所よりも
みじめに追いすがってればいいのに、かっこを付けてしまったんだ。僕の本当に弱かった部分だけは見せたくないなって
でも、そんな僕たちだったから、うまくいかなかったのかもって。
それでもともに過ごした時間は間違いなく本物で
ずっと好きだったなんて過去形にすらなっていないんだ
あなたが幸せでありますように
あなたが笑顔でいますように
何を言っても僕らの運命の糸はほつれることはないだろう。さよなら、さよなら、また今度、会うことがあれば少しふざけるね。それでは会える日まで。
P.S そんな僕にも数奇な形で、仲良くしたい奴らができたんだ。別に何してほしいでもなく、なんかいてくれるだけでうれしい奴らが。緩やかに変容しては、変わったまま愛せそうなんだ。だから今度は諦めないでみるね。まあなにがいいたいかというと、僕はなんやかんや楽しいです。
今日の一曲です。
僕が高校生の頃、雪に染まった地元の景色をこの曲を聴きながら、一つの物語のように感じながら、僕はそこにいたのだと思います。
あっ、妄想ですよ?
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