翌日なんて思い浮かばずに明日(倩)

syrup16gや鬼束ちひろやCoccoを聴いたし、南条あやも読んだし、リタリンがソラナックスがデパケンがエリミンがコントミンがベゲタミンAとBが、なんて世代だ。
腕には切り傷の痕が残っているし、大量服薬からの胃洗浄もした。
そういった時期を経て、死ななかった(生き残った)ためにいま、普通の生活を送っている。
毎日仕事に行き、子育てをしている。

子どもたちは愛しい。が、発達に偏りがある様子だ。
とても育てにくい。
それ故に苛立ちを隠せないときが度々あるし、暴言を吐くこともある。
とてもいい親とは言えない、けれど子どもたちはわたしを大切にしてくれている。
大変申し訳ない気持ちになる、至らない親だと。

最初の夫は死なせてしまうし、二番目の夫とは離婚した。
二番目の夫は再婚してから、子どもたちに対する愛情が薄れたのか、今の家庭を大切にするのに必死なのか、わたしや子どもたちを出来る限り無視している。
そうして子どもが傷ついてしまう状況を齎したのは、わたしが結婚に耐えられなかったからだ。

某可愛い俳優が言っていた「ひとをすぐに家にあげられるってこと」。
わたしはこれが苦手だ、出来ない。
子どもたちと住むには構わないけれど、今の住処に誰か新しい存在が介入してくるなんて、とても考えられない。
生活を共にするなんて、わたしには出来ない。
わたしの住処は、干渉して欲しくない、ATフィールド心の壁でもって常に外界と遮断されていなければならない。
裸を見られるのと同等なくらい、自宅を見られるのは憚られる。

家が散らかっていても誰も怒らない。
抱き締めるとあいしてるよーという子どもたち。
お金がないのに買っちゃうブルーレイBOX、CD。
誰とも共有しない趣味。
死にたくなるほどの情緒の乱れ。
起きなくてもいい朝。
それらがあるから、許されているから、わたしはまた明日を迎えることができるようだ。
誰かと生きている他の人たちは、それらを共有しているのだろうかな。
わたしには出来ないことだから、羨ましくも思う。

syrup16gの五十嵐さんはなにをしているんだろう。
と思って調べたら活動している。
生きてるんだな。
素晴らしい。
syrupを聞いて死んでいった夫とは違う。
翌日、なんて言葉も思い浮かばない、次に来る一日は明日としか思い浮かばないわたしとは違う。

徒然・倩

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