すみなすものは心なりけり。
こんにちは。いかがお過ごしでしょうか。
さて、今更気づいたんですが、私の初投稿で語った自己紹介って名前と年齢と趣味ぐらいしなんですね。好きな食べ物とか好きな本とか語ってませんでした。好きな音楽を2個目で語りすぎて終わった気でいました…
ですから、もう少し自己紹介書いたほうがいいかなーなんて思ってたところなんですが、どうやら今noteでは『旅する日本語展』をやっているんですね。へ~。
まあ旅する日本語展に直接は関係ないんですが、今回は私の好きな言葉について語ろうかなあと思っています。
私の好きな言葉はあまり明確に決まっているわけではないんすが、てか、そもそも好きな言葉を1つに定める必要はあるのかと訴えたいところなんですが、それはさておき。
私が好きな言葉は「おもしろきこともなき世をおもしろく」。高杉晋作の言葉です。
高杉晋作を知らない人のために早口で解説すると、幕末のころに松下村塾という吉田松陰の塾で学んだ生徒で、「奇兵隊」を組織して当時の幕府に反抗した人です。
私がこの言葉に出会ったのは中学生の頃。私の中学では「タイムくん」という連絡帳が学校で配られて使っていました。そのタイムくんの中を開くと下のほうに色々な有名人の名言が載ってあるんです。その中でこの言葉を見つけました。
みなさんはこの言葉を聞いたことがありますか?また、この言葉を聞いてどんなイメージを持ったでしょうか。
この言葉は「おもしろくない世の中だけど、自分が面白くしてやろう!」という意味で捉えられがちです。確かにこの言葉だけを見たらそのような意味に思えます。でもそれは早とちりかもしれません。
実はこの言葉には続きがあるんですね。
「おもしろきこともなき世をおもしろく すみなしものは心なりけり」
これが続きの文です。この言葉まで見ると真の意味が見えてきませんか?
そもそもこの文は高杉晋作が辞世の句に詠んだもので、短歌の形式になっています。(五・七・五・七・七)有名な「おもしろき…」のほうは上の句、「すみなしものは心なりけり」は下の句です。
つまり、この言葉の本当の意味は、「おもしろくない世の中をおもしろくできるかどうかは、自分自身の心にかかっている」という意味です。
この言葉の本当の意味は、高杉晋作の波乱万丈な人生と彼が生きた怒涛の時代を加味すれば、さらに奥深いものになります。
先ほど早口で紹介しましたが、高杉晋作は幕末を生きた藩士です。長州藩に生まれ、若いころは松下村塾で吉田松陰のもとで学びました。そこで外国に負けない強い日本を作ること、そのためには幕府を倒して新しい日本を作るんだという思想を得ました。これがのちの尊王攘夷運動につながります。ところが、師である吉田松陰が幕府に背いたために処刑にされてしまいます。これに怒った晋作は24歳で身分関係なく入ることができる「奇兵隊」を結成し幕府に反抗。その後、幕府に攻められても勝ち続け、倒幕のきっかけを作りました。ところが、幕末の風雲児は肺結核により28歳という若さでその波乱万丈の人生に幕を閉じました。晋作と同じく松下村塾で学び、のちの初代内閣総理大臣となる伊藤博文は彼のことを「動けば雷電のよう、話せば風雨のような人だった」と語っています。
彼の波乱に満ちた人生を、最期で詠んだこの句はまさに彼の意志を表しているかのようです。自分の行動は自分の心で決め、自分の手で周りを変化させていくこと。この意思は彼の死後も受け継がれ、時代は転換していきます。
この時代背景も含め、私はこの言葉がとても好きです。
自分の心で世界や人生をおもしろくする。この意思を大切にして私も生きていきたい。
皆さんにも少しばかりこの言葉の奥深さがわかっていただけたのではないでしょうか。
皆さんの好きな言葉や座右の銘もぜひ教えてください!
最後まで読んでいただきありがとうございました!