普通をあきらめたよ
さぁもう普通をあきらめたよ。
いまさら何を、感もあるんだけど。
でも結局あきらめきれていなかったんだよね、
普通を。
思えばこれまで
幼少期から
どこに居ても
誰と居ても
馴染めない私。
でもひとりじゃダメじゃん?いろいろと。
だからいつもがんばって
周りに合わせて
普通に
みんなと同じように
普通に
普通の顔をして、普通のことを喋って、
きたつもりだったんだよね。
自分としてはがんばって
普通のつもりでいたんだよね。
だけどどこに居ても
誰と居ても
馴染めない私。
私が普通に振る舞えば振る舞うほど
離れていく普通の人たち。
一体なにが違うのか?
何を間違えたのか?
どこをかけ間違ったのか?
どんなに考えても
わからない答え。
考えれば考えるほど
混乱するアタマ。
そして無限の自己否定。
わたしが間違ってるから。
わたしがオカシイから。
わたしの性格が悪いから。
だからだめなんだ。
もっとがんばって普通にならないと。
社会からはじかれたら、
仲間外れにされたら、
生きてはいけないから。
変なヤツだと思われないように
あいつオカシイと言われないように
笑われないように
悪口言われないように
普通にしなきゃ。
普通にならなきゃ。
普通にやればやるほど、
離れていく普通の人たち。
一体なにが違うのか?
何を間違えたのか?
どこをかけ間違ったのか?
どんなに考えても
わからない答え。
考えれば考えるほど
混乱するアタマ。
そして無限の自己否定。
無限ループ。
∞
かわりに私の側に居たのは、
限りなく変な人たち。
思えばこれまで
幼少期から
変な人からは強烈に支持されてきた私。
どこに行っても
いやちょっと、アナタ普通ではないから…
アナタちょっと、普通の輪から外れてますから…
そんな変人からは強烈なラヴコール。
ちょっとご遠慮願いたいが、優しい気の小さい私は拒むことなど出来ず
変人とおともだち。
さらに開いていく、
普通の人たちとの距離。
そんなつもりはないのだが……
だってわたしがんばれば、
普通にできますから。
そうやって頑張って、
普通に擬態していたつもり。
頑張れば頑張るほど
疲弊していく身心。
空回りする人間関係。
そんな私でも
母親になった。
”ママ友”という
私が最も足を踏み入れてはならない領域へ
強制突入した。
母親学級ママさん教室
児童館
幼稚園
小学校
PTA
重くなっていく繋がり。
まるで理解できない暗黙のルールの数々。
見えない、見えない何か。
私には見えない、
この立ちはだかる壁はなんなのか、
この壁の材質はなんなのか、
どうしてママ友はタメ口なのか、
わからない、
見えない、
私には、
ワカラナイ、
ワカラナイ……
……オワタ。
もうね、もうさ、
笑っちゃうよね。
笑っちゃうよね、だってさ、
最初から間違ってたんだもの。
もうさ、
笑っちゃうよね、
この間、ようやく気付いたんだもの。
私には「普通」の感覚がわからないということに。
そもそも「普通」なんて無いってよく言うじゃない。
みんなちがってみんないい、とかさ。
その通り、と思ってたよね。
普通なんていう基準はそもそも無くて、
誰もが個性的で、
普通になんかならなくても良くて、
って、
頭では考えてるんだよね。
でもさ、あるじゃん。
一定の基準てあるじゃん。
それを守らないと、て思ってたよね。
だから、
一体なにが違うのか?
何を間違えたのか?
どこをかけ間違ったのか?
一生懸命考えてきたんだよね。
どんなに考えても、
間違わないようにしても、
自分を否定しても、
わかるわけがなかった。
だって普通に出来ない私には、
普通の感覚がそもそも備わっていない。
感覚的に、わかるはずがない。
「普通」が何かわからないのに、
普通になれるわけない。
いや当たり前だろって言われちゃいそうだけど。
でもあきらめきれなかったんだよね、
普通を。
でももうあきらめたよ。
もうそんなことに時間を使うのはやめたよ。
自分を捻じ曲げようとするのはやめたよ。
私は私のまま生きることにしたよ。
はー、