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PIN百物語 カッコウ
先日、偶然あった友達が酷く落ち込んでいた。
私も丁度、彼に会いたいと思っていた所であったので近くの居酒屋で軽く飲むか?という事になった。
彼は、ぽつりぽつりとさっきあった事を話し出した。
彼は、三年前に離婚した。
三歳の娘の親権は相手方に取られてしまった。
彼はスマホに残った三歳の娘の写真を毎日見ていた。
偶然入ったショッピングモール。
そこには、六歳になった娘がいた。
歳を取らないスマホの娘が大きく成長していた。
新しいパパと一緒に手を繋ぎ歩く娘。
胸は張り裂けそうであった。
しかし、彼はある事に気づいてしまった。
新しいパパと六歳になった娘。
顔がそっくりであった。
彼は、ひとしきり喋ってあとビールを飲みほし はぁーとため息をついた。
私は彼が少し落ちついたのを見て諭すように静かに言った。
「わかるよ 辛いよね 僕の娘もお前に似てきてるからわかるよ」