エリーゼこわい
エリーゼこわい。追いかけられているみたい。エリーゼこわい。
電話越しに待たされるの、エリーゼこわい。
爆弾こわい。
大きな瞳がこわい。
晴れた夏の日の夕方にビル街がピンクに染まるのがこわい。
起きてもずっと暗い冬の朝がこわい。
自分の正義を皆んなの正義だと思い込んで振りかざされるのがこわい。
お酒で記憶を無くすのがこわい。
疑似恋愛が本当に好きになってしまうのがこわい。
馬鹿なフリしている君がこわい。
情報リテラシーこわい。
核よりも情報がずっとずっとこわい。
こんなに沢山のものが溢れているのに、何一つ自分のものにならないこの街が怖い。
マンションですら賃貸だ。
手に入れても手に入れてもあなたは別のものを欲しがるのでしょう。
満足など、この世には存在しないのです。
どれだけ富を手に入れてもそれを操れる器が無いのです。
そしてそれが一番不幸である。
イ短調の日々、繰り返されるエリーゼのために。明日が来るのがこわい。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?