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結婚(高田 渡)

アングラフォークの代表者、高田渡さんの曲です。
「結婚」という詩は沖縄の詩人、山之口獏さんの代表作です。
朴訥とした高田渡さんが曲を付けた、これまた朴訥とした山之口獏さんの詩。
まるでバカボンのパパをイメージしてしまいます。
結婚に憧れて結婚したけど、現実に泣かされる。
でも悲惨さは全く感じません。
70年代は詩人の詩に曲を付けて歌うこと、よくありましたね。
曲を付けられた詩人の方々は、現在では有名な方が多いです。


詩はボクを見ると
結婚、結婚と鳴き続けた
思うにその頃のボクときたら
はなはだしく結婚したくなっていた
いわば
雨に濡れた場合、風に吹かれた場合
死にたくなった場合など
この世のいろんな場合があったにしても
そこに自分がいる場合には
結婚のことを忘れることが
できなかった

詩はいつもはつらつと
ボクのいるところ
至る所に付きまとってきては
結婚、結婚と鳴いていた

ボクはとうとう結婚してしまったのだが
詩はトンと鳴かなくなってしまった
今では詩とは違ったものがいて
時々僕の胸をかきむしっては
タンスの陰にしゃがんだろしては
お金が、お金がと泣き出すんだ

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