どくとるマンボウ青春期(北杜夫)
おなじみ北杜夫さんの小説。
「北杜夫」といっても今の若い方にはなじみがないのかもしれません。
精神科医で小説家。
お父さんは歌人斎藤茂吉さん。
山田洋次監督の映画、「ダウンタウンヒーローズ」の主人公たちの学生生活はこの小説をもとにしています。
戦後すぐの時代の旧制松山高校。
今では考えられない自由さが先生にも学生にもあったようです。
自由奔放な学生時代のエピソードは読んでいて楽しいです。
この中で化学の試験での迷回答が出ています。
「問題を見てピクリン酸、脇の下にはアセチレン」から始まり、最後は「化学はスコンク、クレゾール」でまとめ切った、という強者。
先生はこの回答に免じて(?)単位をくれた、というからまさに時代です。
戦後みんなが生きることに大変だった時代。
先生も学生も大変だったようです。