【第三の人生】43の章:滝行=寒行。実行の日が近づいている
*登場人物*
萬里→主婦で役目持ち。どうやら今度の冬は滝行になりそうな流れ。もちろん夜中にね。
H氏(おじじ)→リーマン能力者(本物)毎日修行。何か見えない影響があった時は、この滝に一人で入りに来てるんだって。H氏の生態はまだよく分からない。
H氏「最高気温が10℃以下になるのを待ってからの決行になります。」
萬里「は?夏に行きましょうよ~!」
H氏「それは水遊びじゃないですか。滝行は寒行なんですよ!滝に入るにあたり色々と厳しい条件があるんです。
普段女性を受け入れない滝行にお許しが出ただけでも稀なことなので、礼儀はきちっとしとかないと。」
萬里「てことは他にも準備とか満たす条件があるんですね?」
H氏「今のところ事前に準備しておいて欲しいのは『滝衣』白い着物ですが、着物や浴衣とは少し作りが違います色々調べてみてください。」
萬里「普段H氏はどんな格好で入ってるんですか?」
H氏「パンツ一丁です。パンツと言っても水着のようなもので、本来なら『へこ』を履くべきなんですけどね。そこはお許し願いました。」
萬里「『へこ』ってなんですか?」
H氏「ふんどしの事ですよ。」
萬里「あ~想像したくない。」
H氏「そこら辺はすいません(^_^;)でも大丈夫ですよ、御一緒する時は海パン履いて行きますから。」
萬里「あんまし見たくないなぁ~。とりあえず、萬里は滝衣を準備しておきますよ。」
といっても、ネットで見る滝衣は高額でこういう神聖なものごとで商売する人間が存在することが腹立つ。
滝衣は動きやすいようにか、丈がけっこう短め。必要なモノではあるけど、どんなものでも売り手作り手の心持ちが反映される。
こんな欲が入った気持ちの悪いもんで神聖な儀式をやるもんじゃないな。
ということで、
自分自身が納得するためにも友人の親戚の方に型起こしからお願いし、全て手作りでこしらえてもらった。
それが手元に来た時、なんとも言えない引き締まった気持ちになった。