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【第一の人生】43の章:はじめてのパワーストーン

*登場人物*
・萬里→再婚して主婦をしている(最近ダーリンの勧めで大分の整骨院まで通っている)
・ダーリン→萬里の夫(同僚から勧められた大分の整骨院に通い中)
・うっち先生→(大分の整骨院の先生、霊的な力があるともいわれている(???)


うっち先生の治療に関して
そんなにたいして
劇的効果は感じられない

霊的な力があるという事で
特別な治療にも参加させて
いただいたけど
そっち方面もしっくりこない

だけど、萬里はここまで来たら
このうっち先生の霊的な能力のレベルを
確定的に知りたいとも思っていた

以前、事務をしていた時に
関わりを持った霊〇会
で買わされた教本やお札など
その他諸々
要らない物になってしまっていたけど
こういう物って
簡単にゴミに出していい訳では
ないような気がして

どうしようもなく
どうしていいか分からず
ずっと保管していたので
うっち先生に処分を頼んでみた

というか
事前に聞きもせず
予告無しに
回収してもらうつもりで持参した

だって、
この前の特別治療会で
「お焚き上げ」とかいう言葉も
出てたくらいやし
浄化とか聞いたら
それくらいのことは
できるであろうという
萬里の中の勝手な前提

うっち先生!
お焚き上げよろしくお願いします!
と差し出したら

「え?!」て顔をされたが
しばらく鹿児島の村さんのところにも
行けそうになかったしね
先生も断るわけにはいかなかったようだ
なにせ霊能力を持っているのが売りだから

ここでの特別治療、
儀式がなんだったのかはわからないまま
治療に通っているが
何度目かの会計を済ませ
帰ろうかという時

うっち「これダーリン君に渡しておいて!」
と包みを差し出された
開いてみると
その中には朱色の玉石と
丁寧に台座までついている
いわゆるパワーストーン

萬里「この石はなんですか?
どんな効果があるんですか?」

うっち「これはダーリン君にあげたとやけん、
あんたは知らんでよか!!!
ダーリン君に色々な良い作用をもたらすから
枕元に置くように伝えて。」

萬里が初めて手にした
パワーストーン

うっち先生の物の言い方
どうしても
言うほどこの石が良いものに思えない・・・

うっち先生からもらったパワーストーン
帰宅後
「良い事あるらしいよ」と
ちょっと投げやりにダーリンに渡した

ダーリンは台座に
パワーストンを鎮座させ
早速ベッドの枕元に置いていた

萬里、その部屋に入る度に
パワーストーンが気になって
一度は目をやる

萬里はダーリンと同じベッドで
並んで寝ているのだけど
そのパワーストーンが放つ空気が
スッゲー嫌で
できるだけ萬里から
遠いところに置くように
キツく言った

案の定、その日から
夢見が悪くなり
元々熟睡できない質なのに
さらに眠りが浅い

毎朝起きるのがきつくて
息子を学校に送り出しては
また寝るの繰り返し
二度寝したからといって
ぐっすり眠れるわけでもなく

日に日に食欲が落ち、
何をするのも辛くなり
ほぼ引きこもり

夜、目をつぶると色々な映像が渦巻く
そのタイミングって
まだ眠りにもつけず、
起きているわけでもない
『狭間』の時
やっと寝付いたと思っても、
ひっきりなしに
めまぐるしく場面が変わる夢

内容はほとんど覚えていないが、
登場するのは見たことも
会ったことも無い人たちばかり

かと言って

もう萬里の野生の勘は
何かがいるかどうかを
察知もしきれてない

萬里が極端に弱っていくにつれ
そのパワーストーンの存在すら
意識できなくなっていった

なんなのよ
もうっ!!!


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