【第二の人生】86の章:試行錯誤で供養対応していくことで萬里はレベルアップするのだ
*登場人物*
萬里→主婦です。お役目持ってるので修行中です。今回また初パターンの初対応。
モミちゃん→感が強いんだけど、気付かないし、なかなか身体壊れない珍しいタイプ。氣の色が見えるんです。
モミちゃんを、両手で包み込む女性に話しかけてみた。
対話のために視線を合わせたくて顔を見たけど
女性の顔には影が覆い、暗くて見えない。
でも、萬里の言葉はきっと届いてるはずだ。
まず何が目的で、何が思い残りなのか問いかけた。
女性霊『この子は私の子供・・・。』
女性霊が、更に強くモミちゃんを胸に抱きかかえた。
萬里「モミちゃん、こんな風に言ってんだけど。
そもそもどこで拾ったか心当たりある?」
モミちゃん「あ~、試合であちこち県外に行くから、
そのどこかだろうとは思うんですけど、
ピンポイントでココ!っていうのは分かりません。」
萬里「ん~、なら色々聞き出して、
それに応じた説得するしかないね~。」
モミちゃん「お願いします。
優しく抱えられてるから、シャボン玉の中に居ても
あまり不快感はないんですけど、
このまま一緒に連れてかれそうです。」
萬里「うん、ヤバい感じするね・・・。
あんまり時間かけちゃいかん気がする。
モミちゃんのことを自分の子だと思ってるし、
見れば違うってわかりそうなもんだけど、
顔が真っ暗で表情も分からないから
気持ちだけが伝わってきてるんだろうけどね。」
とにかく、
女性霊の両手の中に居るのはあなたの子じゃない!と
言い続けたけど、言えば言うほど女性霊は逆上してきた。
『あら、余計めんどくさくなった(;´д`)』
この頃の萬里はまだ
『生きてる人間と同じように、死んだ人たちのことを考える』
という事が、完全ではなかった。
モミちゃんを我が子だと勘違いしてる
この女性霊の気持ちを汲み取る余裕はなく、
なんとなく『ミナちゃん』と同じような強引で傲慢な
対応をして事をこじらせていたように思う。
ひたすら、ああ言ったり、こう言ったり
『今あなたの両手の中に居るのは生きた人間よ!
まだあなたと一緒に天国へは行けない!』
となだめたりもしてみたけど、女性霊の反応は、
『ならばこのまま命と共に連れて行く!
私はただ我が子と一緒にいきたいだけ・・・。』
切実な母の想いを歪んだ形で表した。
そういえば以前、盲目の女の子の対応をした時も
同様に家族同士探し合っていたなぁ・・・。
特に母親の子供に対する想いが強いのは分かるが、
今回の場合、本当の子供がどこに居るのか分からない。
これ以上にあれこれ声かければ、
更に逆上してモミちゃんの魂を奪っていくかもしれない。
そんなことされちゃ困る!
ここは強硬手段に出るしかない!有無をいわさず
モミちゃんを現実世界に引き戻そう!
とか考えてはみても、こんなパターンは初めてだし
萬里の中身(幽体)を出して派遣しようにも、その方法は知らない。
幽体はいつも、無意識で勝手に身体から出ていくだけやし。
萬里「う~ん、困った・・・。」
忙しいH氏、すぐに返事があるかどうかは分からないけど、
『対応の仕方を教えてほしい』とメールを送った。
すぐに返事は返ってきた、
H氏「こういう時こそ、瀧虎に命じて動かしてください!
瀧虎は萬里ちゃんの命令に忠実に従います。」
『瀧虎を使う!?まだ一度もやったことないし
どうやって命令すればいいんだ?!
それに、派遣して瀧虎はちゃんと帰ってこれるのか?!』
細かい疑問はたくさんあるけど、
そもそも毎回H氏の答えはザッとしている。
はいはい、この場面もまた
『答えは自分で見つけろ!』って事ね・・・。