【第二の人生】83の章:アイテムが増えれば必然的にやることも増える
*登場人物*
萬里→主婦です。お役目あるんで色々挑戦させられつつの修行中です。新しい事次々に出てきて混乱します。
H氏(おじじ)→リーマン能力者(本物)
団体での初キャンプにて、
新しい事にチャレンジさせられたが
結果はイマイチ。
『聞こえる』という事にこだわり過ぎて
聞こえない事がこの頃の悩みになっていた。
萬里が持つべき道具の一つ
『朱印』はすでに手に入れた、
文字は篆書体(てんしょたい)
どうしても、
この文字でないとシックリこない。
実は、初キャンプの後
ちいさんと一緒にドライブがてら
あの山道へ行って大きな笹の葉もGETしていた。
これを人形(ひとがた)として、
撫でもの(依代)として、毎日寄り集まる
丸一日溜め込んだ霊体を入れ込む作業を
寝る前のルーティンにした。
笹の葉に入れてしまえば
霊達は天に還るしかなくなるし、
すがりつく霊達は笹の葉に入る事で安らげる。
こりゃぁ簡単だ!と思ったんだけど、
意外にも抵抗されたり、
気が済むまで対話をした後でないと
思うように入ってくれなくて結局、
これまで一晩中かけた霊対応が
時間短縮しただけの形になった。
それでも、
一晩中寝ずの対応で必死にやっても
10人程度の供養しかできなかったのが、
まとめて笹に入れ込むことで、
数時間くらいは
まともに眠れるようになった。
今までと比べれば一見
楽なようにも見えるけど
これはこれで大変だ。
起きている時に
視えたり聞こえたりの感覚は
ハッキリ実感できないけど、
笹の葉に閉じ込める事ができた時には
手の中で笹の葉がモゾモゾと動く。
なかなか気持ちの悪いこの感触は
ちゃんと霊が入ってる確認として
リアルに感じ取れる。
この笹の葉と塩を使えば
御守りも作れるとH氏に教わった。
教わったと言っても、
ザックリと必要な物羅列した説明で
『あとは自分なりに!』という放任主義。
一人で集中できる時に
持っている物を並べて、
それぞれをあれこれいじってみた。
黄色い紙、半紙、笹の葉、塩、朱印
いくら眺めていても、
何をどうするかなんて思いつかん。
あ〜、もう考えるだけ無駄
考えんのやめて寝ようかな〜、
とか、グダグダしていると不思議な事に
サッサと手が動き簡単に
納得のいくものができてしまった。
無制限に霊達を閉じ込める事ができる物でもあり、
逆にマイナス作用のものを寄せ付けない力もある。
そして、危険な目に遭いそうな時は
身代わりとなってくれる。
朱印の選び方や笹の包み方で
役割や効果を変える事ができるのだ!
いよいよ術師らしくなってきた。
あとは『般若心経』を覚えた方がいいとも言われたけど、
いくら寺の家系に生まれても、信仰心の厚い家庭で育っても、
お経だけは覚えきれない(;´д`)
まず、漢字がたくさん並んでいるのを
見る事自体がニガテ。
ただ、今後必要性があるということで
時々写経はするようになった。
だけど、何度やっても書き直し書き直しで、
なかなか最後まで辿り着けない。
萬里には
集中力が足りないのかもしれない、
いや興味がなさすぎるのか?
一つアイテムを身に付け、
少し対応が楽になったのかもしれないけど
武器や術具を持つと、
自ずと対応する霊の数は増える。
結局どうあがいてもこの役目
楽になる事なんかないのである。
( ;´Д`)