【第三の人生】25の章:修行の一環と言われてもさすがに事がデカすぎる
*登場人物*
萬里→主婦でお役目持ち。今度はデカい仕事やんなきゃになりそうだ。
H氏(おじじ)→リーマン能力者(本物)すました顔でドーン!!とデカいことをサラッと言う中年男性。
萬里「『結界』ってH氏が張ってくれるんですか?」
H氏「いえいえ、私はやりません。萬里ちゃんの最初の大仕事です。祈祷師なのですからできます。」
萬里「改めて祈祷師とか言われても、実際、祈祷なんてしたことないし、それが何かもよくわかりません。やり方も知らないのに、できるわけないじゃないですか!」
H氏「そんなに深刻に考えなくても、普段やってることが祈祷にあたりますし、その延長だと思えばいいんですよ。」
萬里「そんな簡単なことではないんでしょ?H氏あの場所で色々視て、本当は何かしらやってきたんでしょ?分かる限りのこと教えてください!それから決めてもいいでしょ?」
H氏「萬里ちゃんは娘ちゃんを安心して保育園へ通わせたいんでしょ?」
萬里「はい。」
H氏「やはり、お母さんが子供のためにできる事をやる。っていうことが大事なんです。私は代わりになれないし、萬里ちゃんにしかできないことですよ!もちろん、私も護衛としてバックアップしますので、頑張ってやりましょう!」
萬里「護衛って・・・。なんか物々しい感じに聞こえるんですけど。危険があるから、護るための護衛じゃないんですか?!」
H氏「あの状況の中では確かに危険はあります。だから万全の状態で任務を遂行できるようサポートします!がんばってください!」
萬里「ちょっと~、そんなこと聞いて『はい!やります!』って即答したくないんですけど・・・。まぁ、どっちにしろ逃げられないんでしょ?それならこの際、あの場所で分かったこと全部教えてください!」
お役目仕事から逃げられないことは、もうお約束だ…。
H氏「あの場所に居る死人の数は、正確に把握することすらできない程のレベルです。」
萬里「なにそれ?うじゃうじゃいるってこと?」
H氏「そうですね、永いことその場所に留まっているので、縄張り意識的な
感情も強くて、私らのような人間はあまり歓迎されません。」
萬里「だから、攻撃されるかもしれないってことですか?それ、ちょっと危険どころではないでしょ?!もう戦じゃないですか!?」
H氏「長期的継続的に見ていく必要もありますね。一度でどうにかなる感じではありませんから。」
ほら、またぁ、大量の霊の中に飛び込んでいけ!とか、真顔でサラッと言うけど、多勢の敵の中に一人で乗り込むような行為だよ?!
萬里の危機が、また向こうからやってきた。
(。-_-。)