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【第一の人生】68の章:いわく付きのシェアハウス

*登場人物*

  • 萬里→回想中(20代前半の頃の出来事)

  • せっちゃん→萬里と同じ歳。友達になって間もないがシェア同居している

  • 女性→借りてる部屋の前の居住者(突然訪ねて来た)


夜の仕事は日曜が休み
昼夜逆転の生活をしていると
休みの日でも
早寝はできないものだ

でも、せめて息子は
子供が寝る時間には寝かしつけたい
息子は文字は読めなくても
本は、読み聞かせより
自分の好きな所をめくって
眺めながら寝るのが好きだった

寝室の枕元にはスタンドを置いて
本を読むための
明かりを灯していたので
お布団に連れてったら

その後は
本を読みながら寝た頃を見計らい
電気を消しに行くのが
習慣になっていた

その日も
いつもと同じように
息子が寝たのを確認して
明かりを消した

萬里と息子の部屋は
通路側に位置しているので
カーテンを閉めても
通路の明かりが差し込んで
真っ暗にはならない

明かりを避けられるよう
ベッドはあえて
窓際の壁にくっつけて
置いている

夜中の1時過ぎ
萬里はリビングの方で
テレビを観ていた

すると
寝ているはずの息子の部屋から
「キャッキャ!」と
楽しそうな声がする

ドスンドスンと
暴れているような音もする

何やってんだ!!と思った萬里は
叱ろうと息子の部屋のドアを
勢いよく開けた

バーン!!

息子、笑い顔で「はっ!」と
こっちを向き動きが止まった
息子はベッドの上で飛び跳ね
楽しそうに笑ってた
窓際のカーテンが
ヒラヒラと風が吹いたかのように
靡いている
もちろん窓は開いていない

萬里「あんた、こんな時間に
何騒いどる!?
さっき寝てたやろがっ!!」

息子「あ〜あ、ママが来たけん
びっくりして
お友達帰ってったや〜ん!」

萬里「は?何言いようと
何時と思っとるんね?
もう夜中よ!
お友達が来るわけないやん!」

息子「今来てたもん!
せっかく遊んでたのにぃ〜!」

萬里「どこから友達来たん!?」

息子「こっち!」

窓を指差す

ちょっと、こ、この子
何言ってんの!?
嘘ついてる感じじゃない
本気で言ってるわ・・・。

こ、ここは
これ以上否定せずに
とりあえず流しといて
寝かしつけよう

次の日の朝
昨晩のことを息子に聞いてみた

萬里「昨日の夜
何があったと?」

息子「何が?」

萬里「夜中にお友達来た
っつってはしゃいでたやん!」

息子「わからん、
覚えてない。」

えぇぇぇ(゚д゚lll)

まぁ、3才の子に説明させても
あれだろうけど
あの騒ぎようで
覚えてないことってあるのか!?
なんかスッキリしないまま
また日は過ぎて行く

ある日、
訪問の予定はないのだけど
玄関のチャイムが鳴った
セールスか?
出て見ると
20代後半の女性が立っている

女性「あの〜、以前
この部屋に住んでた者なんですけど。」

萬里「はい?」

女性「手続きが
きちんと出来てなかったのか
現在ご使用の電気代が
私の口座から
引き落としされてるんですよ。
その事でお話しに来たんです。」

萬里はそういう事に疎くて
よく分からないので
とりあえず家に上がってもらって
せっちゃんと一緒に話を聞いた

萬里達が生活を始めた時に
届けをきちんとしてなかったから、
前の住民が住んでいるままの
扱いになっていて
女性の口座から
継続して引き落としがされていた
という事

2ヶ月分ほど
肩代わりして
払ってくれたようなので
その場でお支払いをした

その流れでお茶を飲みながら
女性は自分が住んでいた時の事や
現在のこと
色々と話してくれた

お庭にはハーブを
たくさん植えているから
使ってください。

とか

(どーりで、生い茂って草むしりが大変だった)

今はどこに住んでて
どんな仕事をしているとか

その中で衝撃的な話が飛び出す
女性「このマンションで
飛び降りがあったの知ってますか〜?」

萬里・せっちゃん「( ꒪⌓꒪)は?
知りませんけど・・・?!」

女性「あ、私が住んでる時に
飛び降り自殺があったんですよ〜。」

萬里「死んだんですか?」

女性「はい、私ちょうど自宅に居て
ドスン!てすごい音がしたんで
玄関開けてみたら女の人が倒れてて、
救急車呼んでる間に
亡くなったんですけどね。」

萬里「え?落ちた時は
まだ生きてたんですか?」

女性「はい、そうでしたね〜。
唸りながら、まだ動いてました。
ちょうどウチの玄関の前です!」

この女性普通にスゲェ話してる・・・。
トラウマとかなんないのかね?

萬里とせっちゃん引きつって
沈黙・・・

女性「あ〜!
でも気にする事ないですよ〜!
そんなことあったけど
私ここに住んでる間は
すごく金運がよかったんですぅ〜。」

萬里はその時ふと思い出した

萬里「あの〜、飛び降りた女性って
もしかしたら、茶髪でパーマの
細身の女性とかではなかったですか?」

女性「あ〜!そうですよ!!
なんか4階の家庭持ちの男性の
愛人だったらしくて
男性の元を訪ねて来て揉めた末
腹いせに目の前で
飛び降りたらしいんです。」

萬里「あの、もしかしたら
他にもこのマンションで
亡くなってる方居たりしませんか?
子供とか・・・。」

女性「居ました居ました!
子供が風呂場かなんかで
事故で亡くなって
このマンションで
お葬式出してましたね〜。」

萬里「あの、そういうのって
マンション借りる時に
教えてくれないもんなんですかね?」

女性「う〜ん、
聞かれなかったら
言わないんじゃないですか?
まぁ、この辺に住んでる人は
みんな知ってると思うんですけどね。
全然気にしなくて大丈夫ですよ〜
私金運よかったし〜。」

かなり前向きな女性だ

それからも時々
玄関から誰かが入ってくる音や
歩き回る音が聞こえることが
よくあった
ここに住み始めて
起こったおかしな出来事
これは妄想でも
幻覚でもなかったようで

その後
せっちゃんとの揉め事も多くて
半年ほどで引っ越しましたよ

今考えると
この頃から萬里の霊的トラブル
なにげに始まってたんだな

と思う・・・

体調はいつも不完全
離婚はドロ沼化
金運なんか0

何に関しても通常
良い時は無いので
この霊達による影響で
不運に見舞われたのかどうかは
未だ不明

中やんの家を出てから
初めて部屋を借りた時のお話

K美の続き
まだまだあり〼

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