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【第一の人生】28の章:はじめての宗教団体

*登場人物*
・萬里←今は怪しい会社のアルバイトOL
・武社長←萬里の雇い主、怪しい会社の女社長(もうすぐベンツからポルシェに乗り換えるらしい)
・某宗教団体←とある不動地位を確保している宗教から枝分かれしたという霊○会
・幹部←某宗教団体・霊○会の中でも地位がありそうなおばちゃん


萬里はこの会社に来てから
ずっと違和感に苛まれている
ここへ通う限り
ソレに付きまとわれる気がして
ちょっと辛くなって来た

とうとう、体調の悪さと
これまでの不可解な現象について
武社長に話すことにしたよ

萬里「あの、私少し感が強いんで
私だけかもしれないんですけど
この事務所
なんだか獣の臭いがするんです・・・。
それが何かはわかりませんが
ただ、ここに来ると
体調が悪くなって
ちょっと困っています。」

こんなこと言ったら
ずっとここで仕事して来た
武社長はきっといい気がしない

嫌な反応をされるのは
承知だったが、
意外にも、

武社長「早く言ってくれればよかったのに!
私が通っているところに連れて行くよ
すごくいい人たちばかりだし、
私も霊が憑いてた事が
あったんだけど
そこへ行って助けてもらったから!」

『へ?そもそも私憑いてんの?
それに、霊てそんな誰にでも
簡単に憑いちゃうの?』

L.S時代に
ツル先生という悪坊主に
騙されたあの時のことを
すぐに思い出す
その後出会った
村さんに助けてもらえなかったら
どうなってたかわからない

武社長が言ってるところが
どんなところか分からんけども
なんか、そう簡単に
「お願いしまーす!」とも
言いづらい・・・

色々と不信に思ったので
聞いてみた

萬里「霊ってそんな簡単に
誰にでも憑くもんなんですか?
お金がかかるんでしょ?
私そういうのに通うほど
お金がありません。」

武社長「大丈夫、大丈夫!
お線香代と
自分と家族の名前が入った
御札の分と経本だけでいいから!
霊を祓ってもらって、
スッキリしたら大丈夫だって!
私も通い始めた頃は
業績良くなくて困ってた頃だったし、
負担があまりないから。」

『う~ん、悪坊主に
騙された後だしなぁ、
かと言って
鹿児島の村さんのところへは
遠くてしょっちゅうも行けないし
でも昔より、こういう系(霊)の問題と
縁が付いてきた気もする。
そんな簡単に霊に憑かれるもんなら
どこか頼れるところが
一つくらいは必要かもしれない。
近くで霊的なものを
解決してくれる所があれば
安心はできるもんなぁ』

萬里が気になっているのは
萬里自身ではなくて
この事務所なんだけど・・・。
話は完全に
萬里に何か憑いてる
前提になっていた

悪坊主の余韻もまだあるのに
霊的なことに対する
免疫が付いたというか
そんなにおおごとな気が
しなくなっていたのかもしれない

この時、少し期待もあった。
弱っているときは
やはり藁にでもすがりたい

近々集会があるとのこと、
一人だとちょっと抵抗もあるし
ダーリンを付き合わせ
待ち合わせて行くことになった

そこは『霊〇会』という集まり
言わずと知れた某宗教団体から
分離した団体だった

経文は某宗教団体と
全く同じなんだけど
一つ違っていたのは
「蛇」を祀っていた事

誰でも簡単に入ってはいけない部屋に
お蛇様は祀られているらしい

めちゃビックリ
こういうパターンは初めてだ
生き物を祀るっていうの

一連の儀式に参加させられる
経文を集まったみんなで唱え
順番に線香を立てたり
説法(?)を聞かされたり

一通り終えた後
個人個人で別室に連れてかれる
未だに何がどう作用するのか
要点が掴めないし
何が目的なのかも分からない
普通に仏教の教えに
基づいてる気もするし・・・。

萬里には何かが憑いてるという
前提で連れてこられたはずだけど
いつ祓ってもらったの?!

本題のソレ不明

フツーの仏教なんだけど
「蛇」を崇拝するという違和感

事務所での生臭さを
萬里の鼻が思い出す。

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