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【第二の人生】99の章:視せられた必須アイテムを現実のものにしていく

*登場人物*

  • 萬里→主婦でお役目持ちは毎日が修行。ついに杖を手に入れる日が来た!萬里はわりと物作りが得意です。

  • H氏(おじじ)→リーマン能力者(本物)超絶腰が悪いwなのに萬里の後ろの方の命令で肉体労働が多いらしいです。


あれこれ同時進行で進む中、夢で『九節の杖』をよく見るようになった。

萬里(前世の萬里?)が、杖を手に握っているところ。

その杖が鯉になって、天に昇り出し、空高く上がったところで龍に姿が変わる様。

しばらく前に霊対応の際、九節の杖の代わりに伸びたという中指『中指の杖』にばかり頼らず、早く本物を手にしなきゃいけないな、と夢で見る度に思い立ち、その杖が何という竹なのか色々と調べてみた。

夢で見た程度の情報では、大きさも長さもハッキリとはわからずだけど、なんとなく昔父親が、自分で作っていた釣竿の持ち手の部分に似ているなと。猟をするために、あちこちの山へ行く父親に何となく聞いてみた。

父「それは『布袋竹』やないか?別名『男竹(おだけ)』女竹っちゅうのもあるが、釣り竿に使うのは男竹の方。
七福神の布袋さんが持っているのと同じ。釣竿を作るのには、しなり具合と長さがちょうどいいけん、自分で竿作って鮠釣りに行きよったぞ。」
あっさりと情報が手に入る。

萬里「で、それどこにあると?」

父「浮羽方面の土手の下にあるが、お前まさか取りに行くつもりか?!」

萬里「う~ん、行こうかな・・・。」

父「バカかっ!あそこはムカデやらマムシやらウジャウジャおるぞ!お前が行くような所じゃない!」

萬里「いやいや、一人でとか行かんよ。知り合いが竿作るのに欲しいって言いよったけん聞いてみただけ。場所の詳細教えて!」

とりあえずごまかして、しっかり竹の採取できる場所をチェック。

もちろん萬里は一人でも行く気だったけど、H氏に話したら「時間を作るので一緒に行きましょう!」ということになった。

ふふふ、これも後ろ(萬里の先代)からの指令かも。
萬里が見立てて、H氏がノコギリ。
萬里は監督だけで済んだので、すんなりと手に入った。

きちんと九つの節になるように切って、持ち心地がいいように、これからやすりをかける作業になる。

現場まではH氏についてきてもらったけど、これから先の作業は全て自分でやりたいと思った。

持ち帰りどう加工するか、色々と頭に浮かぶことをまとめてみた。
『どうしてもこの杖に文字を彫りたい!』

H氏に連絡を入れた。『その文字は何がいいのか?』

H氏「萬里ちゃんの頭に浮かぶものと『導』という文字は必ず入れてくださいね。」

萬里「わかりました!」

さぁ、この細い竹にどうやって文字を彫るか?!

彫刻刀で彫るには細すぎて怖い、この一本が大事だし失敗はできない。ちょうどいい深さで、ちょうどいい大きさの文字を直径2㎝程度の幅の竹に彫るには『半田ごて』しかない!

父に聞けば、大工道具は一式持っていると思う、だけど萬里がこういう人間(祈祷師)だという事は父は知らない。

色々聞かれれば、いずれ答えられなくなる。今後も使うかもしれないし半田ごては購入することにした。

DIY道具を見に行くのは、なぜかワクワクする。これも前世で自給自足、術具も自分で作るという事をしていたせいなんだろうか?
見本も無いところからの物作りは楽しい。

焼印のように味のある彫文字を書きたいんだけど、先が長いハンダゴテしか見つからず勢いで買ってしまったが、手元で作業するには全く向いてない長さ。

先が15㎝はある(~_~;)

要領を得ないまま、慎重に彫り進め、ひとまず頭で描いた物が完成した。
文字はたった3文字しかないんだけど、軽く4時間は要した。

この時間、萬里は魂を込めたという事で、この杖の威力はこれに比例してくれるものだと思う。

更に手にフィットするよう、少しづつ磨きをかけていく。
これが、萬里の持つべき杖なんだ!

RPGのように、一つ一つ手に入れて、行を重ね、レベルを上げていく。
そのゴールがどこにあるのかは分からない。

術具を手に入れる事は、この先の更に険しい道を受け入れるのと同じ。
術具を手に入れたところで、楽になんかならないことはすでに学習している。

装備が増える=これまでよりも大きなものに立ち向かう準備(武器)ができたという事。

嬉しいような、怖いような・・・。

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